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last wall 38 -side You- ページ16

…………なんだろう。

視線を感じる。



「どうかした?」



今日はマキちゃんと夕飯でイタリアンに来てる。

この後マキちゃんのお店の宣伝動画を撮るから
マキちゃんの休憩と私の夕飯を兼ねてのご飯を食べてるんだけど。

私が動きを止めたからマキちゃんが不審に思ったみたい。



「うん……なんか、視線感じる」

「え?ホント?」



私の代わりに目線だけキョロキョロしてくれるマキちゃんは

「変な人はいな………ん?」

マキちゃんはちょっと緊張した顔で。



「こっち見てる人いる。あれ、鎌倉行った時に会った人だと思う」

「えっ……」


マキちゃんには彼とどういう関係だったか
彼にされた事を話していた。

だからマキちゃんも緊張した顔をする。



それにしてもなんでここに?

確かにここのパスタは絶品だけど。



偶然?
それとも………



振り返ると目が合った。

彼はニッコリ微笑む。



うわ、嫌だ。
反射的に思う。

昔は大好きだったのに。



なんでココに居るんだろう?
嫌な予感がする。



あのストーカーにまた連絡されちゃうんじゃないか、とか
後を付いてきたのかな、とか色々考える中て。



後を付いてきたとか付いてこられるかもしれないなら
この後で高嗣のところに絶対に行けない。



嫌だ。

どうしよう、高嗣。

高嗣にもう二度と会えないなんて絶対、嫌だ。



高嗣に会えなくなる、って思ったその次に
喧嘩してるにぃと、仲直りどころかもう会えないと思った。



にぃにも2度と会えない、って思った時に
ずっと蓋をしていた記憶の蓋が開く。



_________


思い出した。

私、こんな事、前にもあった。



小さい頃、親の離婚が決まって
もうにぃに会わないって決めた時。

我慢して我慢して、当時はにぃがサッカー選手になるためには、ってにぃと離れる事を決めて。

決めたけど
本音は嫌だったから
絶対、やっちゃいけないことして。



その後の記憶がまた無い。

あれ?
あのあと、どうしたっけ?

_________



そんな中
彼が立ち上がってこっちに来る。



マキちゃんが立ち上がって私と彼の間に入る。



「マキちゃん」

「どかないよ、私。何かあってもこれだけの人数がいたら、大丈夫だから」



マキちゃんが小声で言う。

確かに店内はそこそこ混んでる。
私たちに何かあってもみんなが証人になってくれるだろう。



「でも……」

マキちゃんに声を掛けた時に




《A。話しがあるんだ》



彼が告げてきたのは………

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作者名:shizu | 作成日時:2023年9月20日 23時

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