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last wall 37 -side 2- ページ15

ミツがそろそろ限界っぽい。
A不足が体に来てるのかずっと疲れてるように見える。



でもどうしてあげることも出来ないし
ミツ側の立場の事情を知ってるミヤもそれに気づいてるから

「「はぁ……」」

取材でたまたまミヤと2人になった時に
お互いため息をつく。



「さすがにさー、そろそろ何とかしたくない?」

前は俺から言い出してたのについにミヤが言い出す。
こっちはまずミヤに相談したくらい前から思ってたから同意するけど。



「だからって口出し出来る立場じゃないよね、俺たち」

「うん。Aにカマかけたけど、全然ダメだった」



ミツの事気になるか聞いても話させて貰えなかったし
正直、Aはミツとの関係修復を諦めてるっぽい。

やっぱり女の子の方がこういう時ドライだよね。



そして

「AにはAなりに、ミツに譲れないものがあるの」

何かは言わずにミヤに言うと

「あー、やっぱ?なんかそうっぽいよね。何かはわかってないけどキタミツもそれは思ってるみたい」

なんてミヤの家に泊まったからか
ミツについて新たな情報。



そりゃ不思議に思うよね。
なんでこんな事になる?って気づくよね。



「まぁもういい大人だし。キタミツもこれがピークだろうからこれ乗り越えたらいつも通りになると思うよ」

「まぁそうだよね」



そう思う。

親が離婚して離れ離れになってた時期も長いんだし。



「たださ」

ミヤが身を乗り出して

「ぶっちゃけ、正直、俺はこのままでいいのかもってちょっと思ってるよ」

とんでもない事を言う。

「は!?なんで!?」

びっくりして声が大きくなるし裏返る。



そんな俺にミヤは

「だってさ。これで仲直りしたらミツもAちゃんもベッタリな生活に戻るよ?ニカんとこにAちゃんが来る回数、相当減るよ?」

真剣に言ってくる。



本当は、少し思った。

やっと3日以上Aが泊まってくれるようになったのに
ミツと仲直りしたらAちゃんの半分、いや半分以上ミツになっちゃう、って。



でも、それ以上に

「それよりも、ミツとAが喧嘩したままなのは嫌だよ」

それは違うと思うから。



お互いたった1人の妹であり兄なんだから。

本当はお互いが大好きなんだし喧嘩なんてダメだよ。



「ホントはニカって俺より優しいよね」

ミヤが俺の頭を撫でてくるから

「ウザいっ」

払い除ける。



だって、ホントにそう思うから。
早く仲直りして欲しい、




うん、そう、思う。

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作者名:shizu | 作成日時:2023年9月20日 23時

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