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妹。 その後 2 ページ13

たい兄は前より忙しそう。

出世もして後輩も何人も居るんだって。



「健永って、Aを引き留めてくれた子居るでしょ?アイツ、めちゃくちゃ素直で涙脆くて。今日も社用車運転研修の事故に合った家族の再現ドラマ観て号泣して、研修中断しちゃったんだ」

それで研修が押して帰りが遅くなった、って言うたい兄は
ものすごく疲れた顔。

昔、一緒に住んでた時にこんな顔見た事無かった。



でも社会人になった今だから分かる
ホントはたい兄、ずっと私の面倒見ながら仕事や家事してたのって
ものすごく大変だったんじゃないかな、って。

だから絶対、もうワガママ言って困らせちゃいけないし
前までは甘ったれで迷惑かけてた私を
昔はたい兄が支えてくれてくれたんだから今度は私がたい兄を支える番だ。



たい兄はご飯を食べてソファに座ると
大体そのまま寝落ちしちゃう。

だから私が食器も洗ってお風呂の準備もした。



「たい兄、起きて。お風呂入って寝よう?」

ソファのたい兄に声を掛けると
ゆっくり瞼を開くたい兄は私と目が合うと緩い顔で笑うと

「A」

甘えるように抱きついてきて。



うわ、キュンキュンする、と思った時に

「起こしてくれてありがとう。お風呂行ってくるね」

すぐに体を起こすたい兄は
私から体を離してお風呂に行っちゃう。



悲しいくらい私って妹ポジ。
まぁ、事実『妹』だけど。

たい兄にとって私って妹の延長で
私の好きはLoveの『好き』だけど、
たい兄にとって私の気持ちは家族愛な『好き』なんだろうな。



それでもたい兄と一緒に居られるなら構わない。

でもいつかたい兄が私への気持ちが『妹』に対する家族愛なだけって気づいちゃったら
たい兄は私のこと捨てちゃうかも。

そう思ったら悲しくて。

たい兄の言うことは何でも聞こうって思うし
ワガママなんて絶対言わない、って思う。

だからたい兄に『もっと恋人らしくして』なんて
絶対に、絶対絶対、ぜーったいに言えない。



ある日みつ兄とたい兄と一緒にご飯を食べてたら

「なんかA、元気なくね?」

大人しい私にみつ兄が言うけど。



「え?そうなの?」

たい兄からも聞かれて

「元気だよ!昨日夜勤だったから少しだけ疲れてるけど」

慌てて言うと2人が「「そっか」」ってステレオで声を揃えて言うから
おかしくて笑うと2人もホッとして笑ってるからうまく誤魔化せた。



そして、たい兄が考えてた事を知っても
何かを言って嫌われるのは嫌で、笑って頷いたんだ。

妹。 その後 2 -side F-→←妹。 その後 1 -side F-



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作者名:shizu | 作成日時:2023年4月17日 0時

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