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妹。 その後 1 -side F- ページ12

Aが可愛い。

ついに家族から恋人になり
ただの妹ではなくなったA。

何をしてても可愛い。



「たい兄」



二度と呼んでもらえないと思ってたから
『たい兄』って呼んでもらえるだけで心臓が跳ねる。

昔と一緒で座ってると隣に座ってきたり甘えてくるのが
とにかく可愛くて。

『目に入れても痛くない』って
こういう事を言うんだろう。



Aと一緒に暮らさなくなってからは仕事に没頭してたしそれなりに入社して年数も経ってるから
まぁまぁ忙しい日々。

繁忙期は日付を跨ぐことがあってキツいけど
それでもうちに帰るとAが居て

「おかえりなさい、たい兄」

笑顔で迎えてくれるから疲れも飛ぶ。



Aも会わなかった数年で立派になってて
俺と過ごしてる時に電話がかかってきて急に勤務が変わることもあった。

その対応をしてるAには
看護師の資格を取る時に泣いてた面影は無い。

思わず見とれるくらいカッコ良かった。



「たい兄、ごめんね。今日中に帰らないと」

「送ってこうか?」

「たい兄大変でしょ?大丈夫!まだ電車あるし!」



昔なら『送ってー』って甘えるだろうに。
仕事となるとキリッとしてどこかカッコ良いAが逞しい。



「すっかり1人前だね」

「ううん、まだまだだよ。先輩たちに迷惑かけてばかりなの」



荷物を纏めるAが自分が知ってるよりずっと大人になってるのが寂しいのと
もう少しAと一緒に居たくて

「やっぱり送る。ううん、送らせて」

正直に言うと

「いいの?ありがとうッ」

素直に嬉しそうに笑うAが愛しくて。



ずっと一緒に居たくなる。

帰らなきゃいいのに。



好きだ。

Aがものすごく好きだ、



Aを寮まで送ってAが車を降りる時に

「次、俺から会いに来るね」

声を掛けると

「たい兄仕事忙しいでしょ?また私が行くよ。宿泊代も掛からないし」

ニッコリ笑うAは
シートベルトを外すと身を乗り出して俺の頬にチュッ、と音を立ててキスをする。



照れくさそうなその仕草含めて可愛い過ぎて

「ありがとう、じゃあ待ってるね」

って素直に受け入れると嬉しそうに笑うA。



そして

「ねぇ、たい兄」

荷物をもつAは

「来月の10日、パパの命日の日。お仕事だけど、夜パパが好きだったグラタン作りに行っていい?」

柔らかく笑うから。



「うん」

「じゃあ、まずは来週泊まりに行くね!」



満面の笑みになるAが可愛いし
今から楽しみだ。

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作者名:shizu | 作成日時:2023年4月17日 0時

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