カカオ72% Part 5

カタチ。 19 -side You- ページ2

危なかった。

寝起きの甘いニカが幸せ過ぎて
つい「好き」って口走っちゃった。

幸い聞こえなかったみたいで
それでも慌てるとニカにバレるし
誤魔化してたら朝からする事になっちゃった。



ニカを充電出来たからそれから月末まで鬼のように仕事をして
動画編集を中心に受託しまくったらものすごく稼げた。

しかも固定客もついて受託業務がだいぶ軌道に乗ってきた。



ルンルンで仕事の依頼のメールをチェックしていたら
誕生日のDMがやたら来てるのに気づいた。



そっか、私、もうすぐ誕生日か。



これは稼いだお金で自分に何か買おうかな
なんて思ってたら裕太くんのおうちにお手伝いに行く時間。

買い出しをして裕太くんのおうちを掃除して
副菜を作ってると玄関から物音。

「うわーい、Aちゃんだー」

緩く言う裕太くんは完全に疲れた顔をしてて
心做しかやつれてるようにも見える。



「大丈夫？忙しそうだね」

「うん、最近お弁当しか食べてないー。Aちゃんのお野菜のお料理ものすごく助かってる」

って本当にしんどそうにカウンターの椅子に座るから。



大丈夫かな、って心配になって。



時計を見るとまだ早い時間で
今日はにぃと夕飯は別だから。

「ご飯作ろっか？そしたら少しでも早く寝られるよね」

冷蔵庫を開ける。



「え、いいの？」

「うん。私も夕飯食べたいし」

「わー助かるっ」



ゆるっと笑う裕太くんは
シャワーを浴びに行って。



ご飯を作ってると
つけっぱなしのテレビからキスマイがバラエティに出てる番組が流れた。

何気なく見てるとタイプの女の子の話をしてて
胸の大きい子だのスタイルがどうの、って話をしてる中でふとニカが

「僕は髪はボブとか短い方が好きですね」

って言い出す。



「髪長いと部屋の中で落ちた時最悪じゃないですか？」

「あはは！二階堂くん世の髪の長い女子を敵に回したね！」



わちゃわちゃ話してるのを聞きながら自分の髪を見ると
伸びっぱなしで背中まである。

……傷んではいないんだけどなぁ。

今日はポニーテールにしてる髪の毛先を見てると裕太くんがシャワーから戻ってくる。



「どしたの？」

髪をガシガシ拭きながら聞いてくる裕太くんに

「髪、切ろうかな、って思って」

答えるとチラッとテレビを見た裕太くんは

「あぁー、なるほどね！」

って笑うから多分ニカの影響なのがバレてて。



恥ずかしい、と思ってたら

「それならさぁ…」

裕太くんから思いがけない提案をされた。

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