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秘めた想い その後 21 ページ19

『また来週来るねー』って
玉森くんが帰った次の日。

「あ!これ可愛いですねっ」

仕事をしていたら
部下の女の子が声を掛けてくれる。



彼女の視線の先には
机の上に置いてある玉森くんに買ってもらったステンドグラスのしおり。



「可愛いよね。でもこれ買ってくれた彼には『どこが?』って言われてるの」

「えー、めちゃくちゃ可愛いですよ!……え?」



その子は一度会話を流してから一瞬キョトンとした後で

「……彼?」

オウム返ししてくる。



「うん、彼」

「彼氏さんですか?」

「そう」

「うわー!A代理、彼氏さんから貰ったんですか!?っていうかしかも指輪してるっ」

ものすごく興奮する彼女は

「え!お付き合いしてどれくらいですか?」

「……何年だろう?多分2年か3年?」

「うわ!うわ!え、詳しく話が聞きたいですっ!今日お昼一緒に食べていいですか!?」

「うん、行こうか」

「はいっ!是非!!」

っていい笑顔で頷いて。



彼女とお昼を食べて色々話した結果、次の日には会社全体に知れ渡っていた。



その報告を玉森くんにすると

『なんだよ〜、だったらしおりをさっさと返せば良かったー』

ものすごく不満そう。




「指輪、全然慣れない。もうコレで知れ渡ったから外していい?」

『ダメに決まってるでしょ。ご新規さんに出会った時に『彼氏居るのかな』って思ってもらわないと』

「だから、指輪なんて今どき普通にする人多いからそれだけじゃ分からないよ」



そう言うと玉森くんは少し黙ってから

『んー、違うな。俺がAに俺からのプレゼントを付けててほしいんだよね』

なんて言うから。



外せなくなっちゃったよ。



少し会話をして電話を切ってからため息をつく。

ダメだ。
声を聞いたら玉森くんに会いたくなっちゃった。

昨日まで一緒にいたのに。



ベッドの上にいるペンギンのぬいぐるみの『玉森くん』を抱き締める。

うん、これは確かにいいかも。
ちょっと寂しさが減った気がする。


『玉森くん』を抱き締めてたら
昨日私が支度する間に玉森くんがずっと『玉森くん』を抱っこしてたからか少しだけ玉森くんの香り。

ああ、これはものすごく癒される。



『玉森くん』を抱き締めてゴロゴロしてると
スマホが鳴る。



玉森ごめん、言うの忘れてた
今週末はそっちに行けなくなっちゃった
その分いっぱいLINEと電話しよ




………そっか。

玉森くん来れないんだ。




それなら…………。

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深雪(プロフ) - 嘘だらけの婚約者、その後の話が読みたかったので嬉しいです。 (2022年11月21日 0時) (レス) @page28 id: a8c1d7b9de (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - pupupupu8887さん» コメント気づいてませんでした!ごめんなさい💦 横尾さん編もようやく始まりましたので是非! (2022年11月8日 20時) (レス) @page26 id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
pupupupu8887(プロフ) - いつも更新が楽しみです❤︎ (2022年9月25日 9時) (レス) @page2 id: e7fcebeb01 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:shizu | 作成日時:2022年9月25日 7時

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