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秘めた想い その後 20 -side T- ページ18

宮田の家を出てAを連れてやってきたのは
駅前の駅ビルにあるカジュアルなアクセサリー屋さん。



「はい、どーぞ」

って言う俺に

「……玉森くん?『どーぞ』って何が?」

「だからこの中から好きなの選んで」

「好きなの、って言われても…」

Aはすごく困惑してる。



そりゃまぁ困るよね。
いきなり好きなの選べ、って言われても。

目の前にあるのは指輪たちだし
普段からアクセサリーなんてしないAにとってはなかなかな話かもしれない。



「じゃあさ、俺が似合いそうなの選んでいい?」

「……」



返事をしないAにどれがいいかなーって見てると

「……何で急に?私、アクセサリーとかつけないのに」

戸惑った感じてAが聞いてくる。



「うん。だからこれから出来るだけでいいから付けて?」



正直、これはただの自己満なんだけど

「もしもアクセサリーつけてなかったAが急にアクセサリーつけたら『可愛いですね』とか声掛けられるでしょ?そしたら『彼氏にもらいました』って言えるじゃん」

言いながら近くにあった可愛いペンダント見つけてAの首元に合わせてみる。



あ、これ似合う。



「これなら口下手なAが言いやすいきっかけ作れるし」

「そんな上手くいかないよ。いま容姿について色々言うのはダメな世の中なんだから」

「……うーん。まぁたしかに」



Aの的確な発言に困って上着のポケットに手を入れた時に指に触れたものがあって

「…あ!そうそう!これっ」

忘れてた。
会った時に渡そうって毎回思ってた大事なもの。



それはずっと渡しそびれていた俺がプレゼントしたAのしおり。



Aに渡すと

「あーっ!やっと戻ってきたー!後任の子から玉森くんに渡したって言われてからずっと待ってたのっ」

ここ2日で一番の笑顔を見せるA。



本当にお気に入りだったんだ。

しかも俺が渡すまで待っちゃうところがAっぼい。




「玉森くん、私これあれば何もいらないよ」

ニッコリ笑うAは本当に嬉しそうで
そして思い出したように「あっ」て言うと

「ちなみにね、今まで玉森くんに黙ってたんたけど後任の子がLINEしてた時期なかった?…あれ、私が彼女から玉森くんにLINEしても返って来ないって言われて『玉森くんはLINE苦手だよ』って嘘ついたんだ」

はにかんで笑うAがめちゃくちゃ愛しくて。



いま居るのがおうちならAを抱き締めて
いっぱい『好き』って言うのにな。

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深雪(プロフ) - 嘘だらけの婚約者、その後の話が読みたかったので嬉しいです。 (2022年11月21日 0時) (レス) @page28 id: a8c1d7b9de (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - pupupupu8887さん» コメント気づいてませんでした!ごめんなさい💦 横尾さん編もようやく始まりましたので是非! (2022年11月8日 20時) (レス) @page26 id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
pupupupu8887(プロフ) - いつも更新が楽しみです❤︎ (2022年9月25日 9時) (レス) @page2 id: e7fcebeb01 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:shizu | 作成日時:2022年9月25日 7時

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