カカオ72% Part 3

つぎの一歩 46 -side 2- ページ46

Aちゃんとテレビを見てた所まで
覚えてる。

次に気づいた時は
辺りは薄暗くてブランケットが掛けられてて。

目の前のグラスが無くなってて
隣ではAちゃんが俺にもたれて寝てる。



ブランケットと電気はAちゃん？ミツ？

……まぁ、どっちでもいいか。



帰ろっかな、と思ったけど
Aちゃんがめちゃくちゃ近いのが嬉しくて。

また目を閉じると少ししてAちゃんがモゾモゾする。



あ、重かったかな。

少し体を起こすとブランケットから出るAちゃんは
トイレに向かったっぽい。



そのままミツんとこに寝に行くかな、と思ったらこっちに戻ってきて
またブランケットに入ってきて
さらに俺にくっついてくる。



Aちゃんは
ミツより俺と居たいって事だよね。

めちゃくちゃ嬉しい。



そーいや俺もトイレ行きたいな、と思って
トイレに行って帰ってくると

「ごめん、起こした？」

Aちゃんが申し訳無さそうに聞いてくる。



「ううん、ちょっと前に起きてた」

って言うと起きててAちゃんにくっついてたのがバレるけど。

「…そっか」

Aちゃんはそれにつっこむでもなくくっついてくる。



てことはAちゃんは
ココでこうして寝てたいって事でいいよね。

Aちゃんの頭に顔を寄せると「ふふっ」ってAちゃんが笑う。



ヤバ。
これはキュンとする。




朝になってミツに起こされてAちゃんがタマのとこに電話しに行くけど
それを普通に見守れる。

一緒に寝ただけなのに。
まだまだ不安なはずなのに。

今日は何だか本当に穏やかだった。



帰る時にミツが下まで見送ってくれる。

「ありがとな」

ミツが言うけど。



「お礼言ってもらえるようなことしてないよ」

Aちゃんが好きっていう
下心しかないし。

「……そか」

ミツは少し複雑そうだけど。



「A、ホントはニカに会いてーみたいだから。良かったらたまに来てやって」



なんて、真顔でミツが言う。



「全然『来てやって』って顔してないじゃん」

「うるせーな」



ミツはホントは不満なんだろうね。

わかりやす。



「うん、来るしたまに来てもらう」

「………マジかよ」

「でも泊まらせたりしないから」

「当たり前だろ」



ミツはまだまだ不満そうで笑っちゃう。



でも

「ちゃんとするから」

ミツや皆に迷惑かけるような事しないから。

「ん」

答えるミツは不満そうにしてたけど。




最後に少しだけ口角を上げてくれた。

つぎの一歩 47 -side You-→←つぎの一歩 45 -side Ki-

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す