カカオ72% Part 3

つぎの一歩 42 -side Ki- ページ42

ヤバい。

完全にやらかした。
Aとの約束、すっぽかしちゃった。



あんなにたくさん冷蔵庫に色々入ってた事なんてここ最近ねーし
絶対Aショックだったよな。

正直Aの気持ちを考えると気が気じゃなくて
カメラ回ってる時以外ずっと上の空で。



しかもAがうちを出た時間が早かったから
タマに会えただろーからAの様子を聞いたら

「今日、Aちゃんお休みだよ？」

ってタマからまさかの発言。



じゃあアイツあんなに早くどこ行ってたんだよ？

俺に会いたくなくてあんなに早く出掛けたのか？

いや、Aの事だから悲しいのを隠したくて
俺に会う前にどこかに行こうとしてたんだろう。

顔を合わせると悲しい顔なのがバレちゃうから。



あーーー、どーしよ。

早く帰ろうにも今日は薮と約束してるし
薮と会うのも久しぶりだからめっちゃ会いたいし。



そんな仕事終わりにLINEが来てるのに気づく。

二階堂お邪魔してまーす



お？ニカがうちに居るの？

Aと喧嘩してたよな？



でもニカが居るなら安心だ。

薮と飲んで帰ると
日付変わる時間になって。

玄関に入るとまだニカのサンダルがある。



……仲良くなった途端またこれかいっ。



「ただいまー」



玄関から声を掛けるけどリビングは静かで。

珍しい事もあるもんだな。



「ただい……」



リビングのドアを開けて声を掛けて慌てて止める。



リビングのソファに居たのは
ニカにもたれて寝てるAとそれに寄り添って寝てるニカ。

そしてテーブルの上には焼酎のボトルが2本。
よく見るとうちで見た事がない焼酎の中身は空っぽ。
さらにもう1本もまぁまぁ空に近くて。



2人で1本開けたんかいっ。

それで飲み足りなくてさらに飲んだんかいっ。
これもだいぶ中身あったハズだしほぼ2人で2本開けたならそりゃ寝るわ。

メンバーのスケジュールアプリを開くとニカの予定は明日は午後から。

最悪、朝起こしゃいーだろ。



2人にブランケットを掛ける時にAの顔をよく見ると
Aの目はパンパンに腫れてて。

飲んだけじゃなくて泣いたからなのが分かる。



………ごめんな。



Aの頭を撫でると
ニカとAのグラスをキッチンで洗って水切りに置く。

それでも2人が起きる気配がないから



今日だけだぞ。



心の中で呟くと
リビングの電気を少し暗くしてそっとリビングを出た。



くそー。

ニカに負けた。





でもニカのお陰で助かった。

さんきゅ。

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