カカオ72% Part 3

つぎの一歩 2 -side 2- ページ2

Aちゃんが帰る前の日の夜に
ベランダでプチキャンプをした。

夕飯をベランダで食べて
寝袋を2つ並べる。



さすがにベランダは狭かったから
ベランダに続く部屋を開けっ放しにして寝袋で並んで寝てみる。



寝袋なら
一緒に寝ても問題ないよね。



「あ、これはアリだね」

Aちゃんも楽しそうにはしゃいでいた。



寝袋に入って寝る直接に

「……あー…楽しかった」

ポツリと呟くAちゃん。



「でしょ？」

「うん、ソロキャンプもしてみようかな」

「あはは、ハマってくれたなら良かった」



だいぶお酒も飲んだからお互いフワフワしてる。

すごく心地良かった。



そのまましばらく黙ってて
あ、このまま寝ちゃうかな
むしろAちゃんは寝てるのかな、と思った頃に

「……いや、ソロキャンプしないかも」

Aちゃんが言う。



「え？」

楽しいって言ってたのに？
思わず聞き返しちゃうと。

「今日が楽しくて、1人で行っても今日の事思い出しちゃうから」

ポツリ、と呟くAちゃん。



そんな嬉しい事、言ってくれちゃう？



でも、じゃあどこかに一緒に行こうよ、なんて言えないから。

「うちでまたやろーよ」

うちならいいじゃん、って思って提案したけど

「………」

Aちゃんは黙ったままで。



「…Aちゃん？」



声を掛けたけど返事は無くて
顔を覗き込むと眠っていた。

その寝顔が可愛くて。

「……ふふっ」

思わず笑っちゃう。



「ホントに、1週間ありがとう」



寝てて気づかないだろうけど、言う。

Aちゃんの表情は変わらないから
多分もう寝ちゃってて。

自分も寝袋に入るとAちゃんが寝返りを打ってこっちに転がって
くっつく形になった。

………ヤバい、幸せかも。

なんて思って眠りについて。



朝起きたら先に起きたAちゃんは
既に片付けを終えていて。

「じゃ、帰るね」

キャリーと大きなスポーツバッグを抱えてたから。



「今日7人で仕事だから、バッグはミツに渡すよ」

「あぁ、ホント？ありがとう。じゃねー」



ドスン、と玄関にバッグを置いて出てっちゃう。



…えぇー、そんなあっさり？



寂しいな、と思いながらバッグを抱えて仕事に行くと

「お、サンキュ、ニカ」

ミツがAちゃんから聞いてたのかミツがカバンを受け取ってくれて

「どしたの？その荷物」

不思議そうなタマにきかれてミツが事情を話すと
タマが顔を輝かせて言った。



「え！それ俺もお願いしたい！」

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