カカオ72% Part 2 (ページ7)

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メンバーとメンバーとメンバーの妹 13 -side You- ページ7

ニカが意味わかんない。

さすがにあっけに取られた。

あれだけ文句言った肉なしのお好み焼きを食べつつ

「俺、次は納豆とチーズ入れてみるー」

お好み焼きを薄く引いてチーズと納豆を入れてる。

あっさり引かれて違和感。

さっきまでの言い合い何だったの？

にぃもにぃで

「俺はキムチ入れよーっと」

ケンカ収まったならいいや、って感じで平然としてるし
玉森さんは

「美味しいねー」

普通にお好み焼きを食べてる。

何だか私だけ取り残された気持ち。

私の気持ちが浮かない理由は、分かってる。

にぃや玉森さんが言う
私とニカの『弟と妹』や『兄弟』が引っかかってる。

私とニカは兄妹で
にぃと私と一緒って扱いが嫌なんだ、って。

分かってる。

ニカが私みたいな感じはタイプじゃないだろうって事は
重々承知してる。

映画やドラマ見てても
ニカが反応するのは綺麗系の人だ。

決して私じゃない。

伸びっぱなしのボサボサの髪をしてたり
ダボダボのパーカーを脱いで野菜を切るような女じゃないだろう。

「ね、Aちゃんは何入れたの？」

玉森さんが聞いてくる。

「…明太子とマヨネーズとチーズ」

「へー、美味しそ。ね、半分こして交換しない？俺、ソーセージとタマゴサラダ入れたー」

「あ、はい」

頷くとニコッて玉森さんが笑う。

うわー、これはモテるわ。
ものすごくイケメン。

「え、俺も明太マヨチーズ食べたい」

ニカが言う。

「…私の無くなるじゃん」

「え、俺の半分あるよ」

「だから私が食べる自分の分無くなるでしょ？」

「食べてみたいもん。また作ってよ」

「…は？」

もー、ニカ何なの？
さすがにイラッとすると

「…じゃあ4分の1ずつみんな交換。これでいいな？」

にぃが言うと

「「はーい」」

ニカと玉森さんが納得して

「いろんなのちょっとずつ食べられていいだろ？」

にぃが私を見て言う。

…:…確かにそうかも。

「うん」

「な、いいよな？」

にぃに頭を撫でられてイライラが落ち着く。

「なんかミツがお兄ちゃんしてるのいいね」

玉森さんに微笑まれて

「手のかかる妹だけどねー」

にぃが頭を撫でたまま言う。

髪がぐちゃぐちゃになるんだけど
にぃから頭を撫でられるのが心地よくて。

「マジで兄離れ出来そうにないよね」

「うるさいニカ」

くしゃくしゃの顔で笑うニカに腹が立つ。

誰のせいでいま私がにぃに甘えてると思ってんの？

心の中でニカに八つ当たりをした。