検索窓
今日:18 hit、昨日:1 hit、合計:101,701 hit

さいしょの一歩 12 -side You- ページ44

玄関を出た後

「あー、ついた」

にぃの車の後ろに乗り込む。

「……ホントに来たじゃん」

にぃがびっくりして私を見てる。



「あー、ここまで来るだけで必死」

「んな事言っててどーすんだよ。ニカんちは1人で入れよ?」

「えっ、にぃ来てくれないの?」

「異性と外歩けるか!誰が見てんのかわかんねーのに」




……まぁ、にぃの言う通りだ。

ここから先は自分で何とかしないと。



「とにかく、外に出られたからこれからは買い物くらい行けるよ」

「いーよ別に。今まで通りにぃが買うから気にすんな」

「えー!私が外に出た意味っ」



これでもう少しにぃの役に立てると思ったのに!

「だってにぃ忙しくなるんでしょ?買い物も私が行けたらにぃ楽になるじゃん」

それが一番の外に出るきっかけなのに。



にぃは

「……いーよ、にぃが買いに行く」

言いながら何だかニヤニヤしてて。



「何ニヤニヤしてるの?」

「だってAはにぃのために行動してくれてんだろ?そりゃ嬉しいだろ」



ニヤニヤは気持ち悪い(←悪口)けど
にぃが嬉しいって思ってくれたならいいか。



ニカんちに着くと路地裏に停めるにいは

「なんかあったら電話しろよ?」

車から降りれないから特大キャリーに超デカスポーツバッグの私を心配そうに見てる。

「…連絡出来ればね」

こんなの歩くだけで必死だよ。
体力作りまで計算してなかった。



何とかニカんちに入ると無事入れた事をにぃに報告して
シャワーを浴びて自分のバスタオルで拭いて着替える。

当然、脱衣場の髪拾いも忘れない。



改めてニカの家の中を探索する限り女の人の気配もない。



寝室ではニカが浅い呼吸で寝てて。

冷えピタ貼ったり飲み物をベッドサイドに置くと
キッチンを借りて持ってきた果物を一口サイズに切ったり
起きた時に食べられる簡単なものを作っておく。



起きてきたニカに

「ニカのおかげで外に出られたから、今度は私がニカを助ける番」

来た理由を伝えるとすごく真剣な顔で私を見てる。



……怒ったかな。

何を色々勝手にしてんの?って思ったかな。



もしかしてシャワーの心配なら

「あ、シャワーなら浴び……」

たよ、って言う前にニカの腕の中に居た。




久しぶりのニカの腕の中は
熱があるのと寝起きだからものすごく熱くて。

でも心地いい。



「…これ、夢?」

ニカに聞かれるけど

「夢じゃないよ」

またニカの腕の中に居られてるとか
逆にこれは夢なのか私が聞きたいくらい。

さいしょの一歩 13 -side 2-→←さいしょの一歩 11 -side 2-



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (220 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
628人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:shizu | 作成日時:2022年4月5日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。