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さいしょの一歩 10 -side You- ページ42

この前の事を謝ってくるニカに

「とりあえず、もう謝るのいいから寝て?」

『…でも』

「もう気にしてないから、私こそつっかかってごめん」

この話を終わらた。



「とにかく寝なよ。ご飯とかある?」

『……冷蔵庫、空っぽ』

「えぇー……」



それ、大丈夫なの?
てゆーかそもそも

「何でそんな状態で電話してきてるの?」

寝なきゃダメなのに。



するとニカは

『なんか、むしょーにAちゃんの顔が浮かんで。ものすごく、声聞きたくなっちゃったんだよね』

フフフ、って力無く笑う。



…………何それ。

何でそんな事言うの?
ドキッとしちゃったじゃん。



ただ後悔して浮かんだだけだよね。
私はニカのタイプじゃないし。

期待させないでよ、バカ。



「ねぇ、ニカ」

『ん?』

「私、後でニカのところ行こうか?」



提案すると少し間を空けるニカは

『……来れるわけないじゃん。無理に決まってるでしょ、外にも出られないのに』

何言ってんの?ってテンションで言う。



それが私の闘争心に火をつけた。



「ふーん、じゃあ行けるならいいのね?」

『…来れるもんならね』

「ん、分かった。じゃあお大事に」



一方的に電話を切る。




ニカが大変なら
今度は私がニカを助ける番。



冷蔵庫の食材をチェックして
にぃのご飯とニカに作れそうなものを確認する。

作る合間ににぃに電話したり荷造りしたり。

寝袋やにぃからの抱き枕を詰めたりしたら
ホント何日分の荷物?って荷物になる。

あと大事なのは……

バスルームに向かうと
シャワーの道具をすぐ出せるところに入れる。



よしっ。



ニカに帰れって言われたら
にぃのところにも行けないからホテルに行かないと。

念の為その準備もする。



「……ただいまー、、、って、まぁ、そうなるか」



帰ってきたにぃは
玄関に山積みになった私の荷物を見て苦笑い。

「ほら、行くぞ」

にぃが荷物を持ってくれる。



「車には1人で来いよ?」

「……うん」



多分、にぃは私を試してる。

それが出来ないならニカの所には行かせない、って意味だ。



だから、敢えて素っ気なくて。

大きなキャリーとかを持って先に行ってしまった。



にぃが出たドアに向かって立つ。

大きく深呼吸する。



ニカが、待ってる。

いや、待ってはないかも。



でもニカのためにいま私が出来ることはニカを助けること。



グッとドアに力を入れて押すとドアを開けて
鍵も閉める。





待っててね、ニカ。

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作者名:shizu | 作成日時:2022年4月5日 22時

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