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sweet & bitter 4 -side M- ページ23

久しぶりに会うAちゃんは
少し空元気みたいに見えた。

ゲームをしてる間、純粋に楽しんでくれてるようには見えたけど
どこか元気が無くて。

だからとにかくタマとふざけて
Aちゃんを笑わせた。



Aちゃんはどんどん笑ってくれて

「久しぶりにめちゃくちゃ笑った!」

って言うから
逆に最近あまり笑ってなかったのかな、って心配になる。



そして
ガチゲームを始めるとそれはそれで3人とも必死になるから
この空気感たまんない。

全員が気楽な空気感。
これはタマじゃなくてもAちゃんとは一緒に居たくなるかも。

まぁ俺には沢山の嫁と可愛いタマが居るから
Aちゃんに惚れる事はないけど。にゃははっ。



昼から遊んでるから19時を回ると途中でお菓子とか食べてたけど
さすがにお腹が空いてくる。

「お腹空いてきたねー」

思ったタイミングで言ってくれるAちゃんは
やっぱりイイ。

「Uberか何か頼もうよ」

タマも言う。



「ミツは今日遅いんだよね?」

「うん、ご飯食べててって言ってた」

「そっかー。何食べたい?」

「最近にぃがなんでも頼んでくれたり買ってきてくれるから特にコレってないんだよねー」



タマとAちゃんが話してるのを聞くと
今までキタミツがAちゃんとニカと食べてたものとかを何とかして買って
Aちゃんがニカと会うのを我慢させてるのを知ってる俺は心が痛い。



「ピザとかにする?」

無難かな、と思って聞いてみると

「……ううん、ピザはいいや」

少し寂しそうにAちゃんが言う。



……あ。

キタミツがニカとAちゃんとよく食べてたって言ってたな、って思い出す。



「それなら俺のオススメのチャーハンをAちゃんにオススメしよっかな」



タマがスマホを触りながら言う。

「え、チャーハン?」

「うん。ここのチャーハン美味しいの」

「へー!嬉しいっ、チャーハン大好き」

「本当?ならここオススメ。春巻きも美味しいらしいんだけど食べた事ないんだー」

「じゃあ頼もうよっ」

Aちゃんが笑ってくれてホッとする。




ねえ、キタミツ。

俺たちもしかしたらとんでもないことしてるのかもしれないよ。




ニカと会わせないようにしたり
逆にタマとは会わせようとしたり。

それってAちゃんが辛いだけなんじゃないかな。



後から気づいたって仕方ないのかもしれないけど
Aちゃんへの罪悪感がハンパなくて。

この時俺はうまく笑えてたのか
分からなかった。

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作者名:shizu | 作成日時:2022年4月5日 22時

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