カカオ72% Part 2 (ページ21)

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sweet & bitter 2 -side Ki- ページ21

ニカとAの距離感の近さが
どーーも気になる。

ニカの胸元に濡れた跡。

これ完全にAがニカに胸借りたってことじゃん。

ニカがAを抱き締めたのか
Aがニカに抱きついたのか
あるいはその両方なのか。

ニカがうちに来た次の日ニカに

「結局、Aがあんな風になってた理由なんだった？」

聞くと返ってきたのはAと同じ回答で。
チャイムが鳴りまくって怖かった、って話だった。

「で？何でニカの服の胸元濡れてたわけ？」

「…胸元？……あぁ、さすがにちょっと怖かったみたいでAちゃんが俺に抱きついて泣いちゃってた」

普通に答えてるからそこに何かがある訳じゃなさそーだけど。

「でもそんな長い時間じゃないよ」

ニカはなんかを隠してる言い方で言ってるようにも見えるけど

「ふーん」

とりあえずそーゆー事にしておいた。

ただ、Aは確実にニカがお気に入りだ。

テレビを見ててニカが出てくるとちゃんと見るし
(俺が出てるのはたまにスルーなのに)
おバカキャラ全開のコメントをすると「ニカはバカだねー」楽しそうに笑ってる。

そしてAはニカが遊びに来ないのかって
しょっちゅう口にするようになる。

「なんだよー、俺だけじゃ不満か？」

「にぃと3人で遊びたいなーと思って」

Aはニコニコして言うし
その言葉に嘘は見当たらないから俺が邪魔とかじゃねーのは分かるけど。

Aがニカに惹かれてんのが嫌だ。

ニカが嫌いな訳じゃねーけど
Aを誰かに取られるのが嫌なんだ。

「…すっかりシスコンだね」

宮っちに笑われる。

やっぱり相談つーか近況報告相手は宮っちになる。

「るせ。大事な妹なんだから仕方ねーだろ」

「あはは、まぁAちゃん可愛からねー」

笑う宮っちは

「でさー、俺はタマの味方なわけ」

唐突に言う。

「…………は？」

「だから、タマにチャンスあげたいんだよね」

ニコニコしてる宮っちの言いたいことを流石に察した。

「あのさ」

「ん？」

「ミヤ、いまの俺の話聞いてた？」

ニコニコしてる宮っちにため息しか出ない。

「だってさー、この1ヶ月Aちゃんキタミツとしか会ってないでしょ？それはそれで心配じゃないの？」

宮っちの言うこともごもっとだ。
でも前回その宮っちの言うこと聞いて
タマがAを気に入ったのもあるし。

とはいえ

「それもそっかー」

たまには人に会うのも大事だよな。

と、この時は思ってた。