太陽の当たる場所 11

after Wait for You 5 side 2 ページ8

Aとの電話を断ると
大将のお店に連絡して
お弁当の予約をする。

「え！ホント！？ありがとう！！」

大将がものすごく喜んでくれた。



久しぶりの仕事だし
筋トレとか肌の手入れとか頑張ろ、と思って
次の日はひたすら準備して。
AとはLINEだけでやり取り。

大将のお店でお弁当を予約した事を伝えると



Aありがとう!
いいなー、私も食べたいー!

っていつものように写真でしりとりのお題の
昨日俺が送った『夕日』の写真に対して『ひじき』が送られてきた。

大将んとこの料理より
Aのひじきの煮物食べたいよ。



そして久しぶりの仕事当日。

大将の店でミツマネと待ち合わせしてると
ミツマネと何故かミツ。



「え？何で居んの？」

「一番後ろの席に乗るなら、ってなったんだよ」



ミツは久しぶりに外に出れたからか
ご機嫌で。



ミツマネは

「…準備大変だったんですけど」

何だかお疲れの様子。



車を見ると前列の後ろにシートが引かれてて。

あ、ミツマネはこれを準備したんだろーね。



どーせミツの事だからギリギリに言ったんでしょ。
ミツマネ困ったんだろーな。



「いーじゃん、マネージャー入れたら11個だろ？運ぶの大変じゃねーか」

「私と二階堂さんで十分でしたが」

「ンだよ、文句あんのかよっ」



やり取りしてる2人を横目に
そろそろ約束の時間だから大将にも会いたいしお店に入ろうとしたら男の人が出てきた。

同年代くらいだけど祐介君や充君でもない。



…お客さんかな？



俺もミツもマスクしてるしキャップも被ってるから
その人に俺たちの事はバレてないっぽい。



やり過ごして

「こんにちはー」

挨拶をしながらお店に入ると

「塩撒け！塩っ！！」

大将が顔を真っ赤にして怒ってる。



女将さんと祐介君が俺たちに気づいて

「いらっしゃいませ！」「お待ちしてました！」

声を掛けてくれて大将も慌てて

「お！ニカちゃん！今日はありがとね！」

いつもの感じで声を掛けてくれたけど。



「…どうしたの？」



さすがにつっこまずには居られない。
声を掛けると

「ちょっとね、昔Aちゃんにちょっかい出てた奴が来てね」

女将さんが言うけど

「ちょっかいじゃない！道具を隠すのは立派な嫌がらせだ！」

大将はめっっっちゃ怒ってる。



あれ、道具って…

「それってレーシングチームの…」

「あぁ、ニカちゃん知ってる？そう、その子」

女将さんが言う。




ってことは、元カレじゃん！

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