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after Let Me 4 side 2 ページ42

Aから住む所の話をされて数日後。

今日は少し早く終われたから急いで帰ってシャワーを浴びてリビングに入ると
カウンターでAが飲んでる。



「おかえりー」

フワッと笑うAにホッとして
疲れが取れる感じ。

「ただいま。俺も飲む」

「んー」

Aがお酒を作ってくれて
その間に来てるLINEとかを返事してるとプリントアウトされた紙たちがテーブルの隅に置かれている事に気づく。



「これ、何?」

「ん?……あぁ、今日不動産屋さん行ってきたの。いいとこってなかなか無いねー」

「…ふぅーん」



見てみると
オートロック付きだったりセキュリティ高そうだけどさらに金額も高い。

今までの家賃の1.5倍くらいする。



Aのおうちも俺が出すって言ってるのに
なんだかんだ家賃はお互い自分で払ってるから
これはAには相当な負担になっちゃうだろう。
だから

「無理に引っ越すことないからね?」

別に俺がAんちに行かなきゃいいだけだし。
なのにAは

「でもいざと言う時にニカが来れないような家じゃ困るし、それより何よりセキュリティしっかりしてないと私も気になるから」

俺のせいじゃない的な言い方をしてくれる。



確かに今のAの家のセキュリティはマンションの入口に鍵がないから誰でも入れるし
部屋の鍵もただの錠が1つで
悪い人が簡単に外せそう。

ホントはそういう面で言えば俺が居ない時はAのうちに帰らないでほしいのが本音。

とはいえAのマンションの目の前が交番だし街自体も治安が悪くないのも分かってる。
Aからしたら俺があんまり口出したらうっとうしいかなと思って言わないけど。



ただ、Aの部屋には沢山の思い出がある。

屋上での初めてのキスやあの時の花火。
2人でずーっと笑って過ごした日々やBBQ。

喧嘩したり仲直りしたり。



思い出が詰まってるこのAの部屋が無くなるのが
ものすごく寂しかった。



資料を見てるとAの条件とは違うおうちがいくつかある。

「……これは?」

「あぁ、充君の」

「充君?」



え?何で?



「充君と行ったの、不動産屋さん」

「は!?」



つい大きな声になって
Aがびっくりして俺を見てる。



「……あ、ごめん」

大きな声を出したのを謝ると

「ううん。……嫌だよね」

Aが悲しそうな顔をするから慌てる。



「ううん!全然平気っ!」

「……そこまで言われるとまた複雑だけど」



Aに苦笑いさせちゃった。

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yuzu_(プロフ) - 分かりました!楽しみにしてます! (2021年12月11日 13時) (レス) id: b026b7a2ff (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - yuzu_さん» ごめんなさい、仕事がバタバタしてるのもありますが他のも更新してて…💦もう少々お待ちください<(_ _)> (2021年12月11日 8時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
yuzu_(プロフ) - もう更新してませんか…? (2021年12月11日 0時) (レス) @page12 id: b026b7a2ff (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:shizu | 作成日時:2021年10月24日 16時

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