太陽の当たる場所 11

after Let Me 3 side 2 ページ40

……あー、やっちゃった。

時計はもう1時を指してる。
そりゃAも寝てるよ。

玄関を開けたら
リビングに続くドアは真っ暗だった。

でも後輩たちとご飯するのも久しぶりだったし
お互い話が尽きなくて。



あーあ、こんなんじゃAに愛想尽かされちゃうかな。



シャワー浴びてもう一杯飲んでベッドに向かうと

「……おかえりぃ」

Aが声をかけてくれる。



「起こしちゃったね」

「んーん、寝ないよーに頑張ってた」

「え？何で？」

「……会いたかったから」



Aは抱きついてくると

「明日お休みだし、ニカに『おかえり』と『おやすみ』言いたくて」

ギュッて強く抱き締めて

「おやすみぃ……」

腕を解くとそのままスーッて寝ちゃう。



愛しくて。

こんなAに引っ越しさせないといけないとか
我慢ばっかさせてるな、って思ったらなんか苦しくて。

でもじゃあお別れなんて絶っっっ対、したくなくて。



Aを抱き締めると

「んーー、ニカぁーー…」

苦しいのか嫌がりながらも
寝ぼけてくっつくAが可愛い。



大好きだよ、A。

面と向かって口にだして言えないけど
抱き締めてるとそのまま眠くなって。



めざましが鳴るまでそのまま寝ちゃってた。



起きるとAが俺の胸の中から出てきて

「……おはよぉ、ニカ」

眠いのか、目が開いてない。



「起きてないじゃん」

「ねむいもん」

「寝てないの？」

「ううん、寝てたよ。ニカのココで寝たし」



ギューっとくっつくAは

「朝ごはん作ろっか？時間ある？」

「あんま無いけどコーヒー飲みたい」

「ん、じゃあいれるね」

甘えた声で言うと俺を見上げてチュッとほっぺにキスをくれて

「……ふふっ、昨日の仕返しっ」

嬉しそうに笑うとベッドを出ちゃう。



何それ、めっちゃ可愛い。



「こら待てっ」

「やーだよー」



起き上がって追いかける俺にAが楽しそうに笑って
めちゃくちゃ幸せだ。



やっぱりこんなAと離れるなんて出来ないし
たまにこーしてイチャイチャ出来るから頑張れる。



コーヒーをいれるAを抱き締めてると

「もうっ！ニカ離してっ」

「やだよーん」

「時間無いんでしょっ？」

「無いよ、でもやられたらやり返さないと」

「あはは！支度しなよっ」

ふざけあって笑い合うと
めっちゃ楽しくて。



結果時間が無くなって

「コーヒーもったいないっ」

「Aが飲んで！じゃあねっ！」

慌てて出かけたけどどこか幸せだ。

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