太陽の当たる場所 11

after Wait for You 17 side 2 ページ30

「え、うまーっ！」

「…大袈裟だよ」

「ううん！絶対料理の腕上がってる！！」

「変わらないって」



散々キッチンでAにくっついた後
さすがに明日も仕事だしご飯食べよう、ってなって。



UberEATS頼もうとしたら

「叔父さんのところでスペアリブ貰ってきたから、ニカが1時間くらい待てるならご飯炊いてけんちん汁とだし巻き玉子作るよ」

って言うから。



作ってもらったらめちゃくちゃ手際良くなってるしものすごく美味しくて。

「え、絶対腕上げたって」

「変わらないよ、久しぶりだからそう思うだけだって」

Aは照れくさそうにしてるのが
あぁ、こーいうところも変わってないなーって嬉しくてニヤけちゃう。



だからもっとAの反応を見たくなって

「ね、今日お風呂一緒に入らない？」

「はぁっ！？」

提案してみるとやっぱり拒絶反応。



「最近お気に入りのすごく汗かく入浴剤あってね、半身浴するとめちゃくちゃ汗かくの。一緒に入ってみない？」

真剣に聞いてみると

「…あぁ、うん、なら入ってみようかな」

ってAが『なんだ、そういうことか』ってテンションで言うから。



「え、もしかしてAお風呂でお風呂入る以外に何かするの？」

からかって聞くと

「逆にニカは絶対何もしないのね？」

まさかの返しをされて黙っちゃう。



「私、最近ハマってる芸人さん居てねー…」

突然普通に話し出すAが言う芸人さんが
前にネタを見ててAがめっちゃ好きそうな芸人さんだと思った人たちだったから

「え！やっぱ？Aにハマると思った！」

「あはは！さすがニカ！そーなの！めちゃくちゃ好きなのっ」

さっきの変な雰囲気がなかったことになって。



あぁ、やっぱりAは一枚上手だな、って思う。



さらにご飯が食べ終わる頃に

「じゃあここ片付けてそれ見ながらお風呂入ろ？」

Aは食器を持って立ち上がってニッコリ笑うと

「何もしないんだもんね？」

って念を押すから。



「しないとは言ってないけどねー」

ムッとして言うと

「じゃあお風呂入る以外に何するのか教えて？」

まっすぐ聞いてやり返してくるAが憎たらしい。
そして

「………別に何もしないけど」

拗ねて答えちゃう自分が相変わらず残念。



そんな俺にAは笑って

「だよね？言い出したのはそっちだもんね、高嗣っ」

ってさらに久しぶりに下の名前で呼ばれたらキュンとしちゃって。



Aのいる日常が
やっぱり幸せだって思う。

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