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after Wait for You 17 ページ29

ニカは私が戻ってくるのを
思った以上に楽しみにしてた。



「一度空気入れ替えよっか」

窓を開けに行こうとした時にニカが

「あっ…」

何かを言いかけたけどそのまま何も言わなかったから
窓辺に向かうと
一輪挿しに咲いていたのは真っ白なダリアだった。



一番最初にここに飾った花だ。

ニカ、ダリアの事を覚えててくれたんだ。



嬉しくてニヤけながら窓を少し開けて
そのままリビングを見渡すとカレンダーの今日の日付には大きくマルがしてあったし
電子メモパッドに書かれていたのは『Aおかえり!』とスマイルマーク。



え、ニカってば
めちゃくちゃ歓迎してくれてる。



ニカを振り返ると

「……なに?」

少し照れくさそうにしてる。



「ありがとう」

「何が?」

「色々準備してくれて」

「………別に」



ニカはこっちを見ないで焼酎を口にする。

久々のクールぶってるニカ。
それすらも愛しい。



だからニカの横に戻ると

「……」

無言でギュッて横から抱きついてみると
私の肩に手を回してニカも無言で抱き締めてくれる。



しばらく黙ってテレビを眺めてると
そのままニカは焼酎を飲みだしてゴクッと飲む音すら聞こえる。



ニカのこんな近くに居られる日がまた来るなんて。

嬉しくて。



しばらくそのままニカにしがみついていた。



ただ、ふと気づいた。

ねえニカ。
私たちくっついて居すぎじゃない?



テレビからはニカが大好きなバラエティ番組。

テレビから流れる笑い声を聴きながら
ニカにくっついていた。



離れ難いけど

「そろそろご飯作るよ」

ニカに言うと

「ん」

返事はするけどニカは腕を外さない。



………ニカ?



見上げるけどニカは目線がテレビのまま。



ニカもまだ離れたくないって思ってくれてるんだけど
クールモードだから言わないんだな。



それなら。



服の隙間から手を入れてニカの肌に触れる。

「うわっ」

ニカが驚いて声を上げて。



「くすぐったい」

ニカは冷たく言うけど怒ってない事もお見通し。

相変わらずスベスベだな。
ニカの生肌が嬉しくてそのまま触れてると

「ご飯作るんじゃないの?」

腕を解かないでニカが言うから

「ニカが離れてくれないんだもん」

私も言い返すと

「そっか」

そのままギュッて抱き締めてくれるからニカはもう少しくっついていいって思ってくれてる、って分かる。



だからまたギュッて私も抱きつくと
またしばらく抱き合っていた。

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yuzu_(プロフ) - 分かりました!楽しみにしてます! (2021年12月11日 13時) (レス) id: b026b7a2ff (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - yuzu_さん» ごめんなさい、仕事がバタバタしてるのもありますが他のも更新してて…💦もう少々お待ちください<(_ _)> (2021年12月11日 8時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
yuzu_(プロフ) - もう更新してませんか…? (2021年12月11日 0時) (レス) @page12 id: b026b7a2ff (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:shizu | 作成日時:2021年10月24日 16時

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