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ジンクス(すぐ近くにいる ki) おまけ side 2-2 ページ28

「ねぇニカ」

ある日Aが
リビングでテレビを見てる俺の横にやって来る。



「ん？」

「例の先輩たち、結局ちゃんと仲直りしたの？」



結局この前親子丼食べながら
Aさんと北山さんの話をした。

それをきっかけにその後どうなったかをAに逐一報告している。



仕事の事でAさんに電話したら支店に行く前より元気になってて
やっと北山さんとの事を応援する気になった。

それから北山さんから進捗を聞く度にAに報告して
逆にAからアドバイスをもらって北山さんに報告したりして
何だか影のアドバイザー状態な俺たち。



だからAもその後が気になるみたい。



「んー、まだ完全な仲直りしてないみたいだけど」

「そっかあ…」



俺から離れるAはカバンをゴソゴソすると

「コレ、先輩にあげて？」

チケットをくれる。



お台場の観覧車のペアチケットだった。



「取引先の人から『一緒にどうですか？』って言われて」

「はあっ！？それって男の人っ！？」

「うん」



何それ！

ナンパじゃん！！



「でもね、『彼氏と行きたいから貰っていいですか？』って言ってきた！」



ニッコリ笑ってAは言う。



嬉しいよ？
断った事も報告してくれな事も
ちゃんと言ってくれたのは嬉しいんだけど。

「…でも俺…」

高いところが苦手だから一緒に乗れないよ。

「うん、分かってるよ。ニカは観覧車乗れないもんねっ」

俺と乗るつもりがないって言うAは



「だから先輩たちにプレゼント出来たらな、って思って」



ダメかな、って顔で聞いてくる。



AがAさんや北山さんの心配をしてくれるのは嬉しい。

ただそこまで俺たちが
協力する必要あるのかなって思ってたら

「だってニカが仕事の事を話してくれた事はあるけど会社の人の事を話してくれた事、今まで無かったじゃん」

なんて俺も気づいてなかった事を言ってくる。



そして

「ニカ、先輩達のこと大好きでしょ？」

Aに言って無かったし
実は思ってた事をズバリ言われて。



確かにそうかも、って改めて思う。



「…まぁ、うまくいってほしいけど」

「あーもう素直じゃないなー。ニカが先輩達の話してる時めちゃくちゃ楽しそうだよ？」



Aは俺にそのペアチケットを握らせて

「ね、プレゼントしてきて？」

上目遣いでおねだりされたら

「……わかった、そーする」

頷くしかなくて。



さすがに先輩たちの明るい未来を
心から願いたくなった。

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