Quite Talk

どんな気持ち？(太陽の当たる場所) side 2 ページ2

「ただいまー」

リビングに入ると

「おかえりー」

何故かAがキスマイのライブDVDを見てる。



「は？なに？」

「見てみたくって。最後まで見た事ないんだよね」

「…はー」



ていうか本人目の前で見られるとか
めちゃくちゃ恥ずかしいんだけど。



「え、いつものバラエティ見たいんだけど」

「えー、また途中になっちゃうじゃん」

「知らないよ、そっちDVDなんだから後で見てよ」

「バラエティだって録画してるじゃん」

「だめ、リアタイする」

「………はーい」



不満そうに返事するAは

「でもバラエティまで見てていいよね？」

それくらいはいいでしょ？って顔で聞いてくるから

「……うん、まあ」

仕方なく返事をするとまた画面に釘付けになる。



あまりに無言で見てるから
逆に反応が怖い。



『FIRE BEAT』が始まって首振りんとこで
Aがビクッてなるからこっちがびっくりしちゃう。

居心地悪すぎなんですけどー。



「ねぇ、恥ずいんだけど」



声を掛けてもAは無視。

バラエティそろそろ始まる、って声掛けても
この曲だけ見るってゆーから
あと少し我慢するか、なんてスマホ見てたところで

「……わぁっ」

Aが驚いた声を上げる。



「え、なに」

画面見ると落ちサビ歌ってるところ。
あ、もしかして、と思ってると

「ニカ、めちゃくちゃカッコイイじゃんっ」

案の定ミヤの補助でバク宙をした後のところを
Aが言ってる。



「……は？」

気づかないフリして聞くと

「え、え、あれってニカどんな気持ち？」

「あれ？どれの事？」

「今のぽーんっ、って投げてもらって一回転するとこ！！」

Aがものすごくテンション上がってる。



「…あぁ」

一応、知らん顔してるけど

「すごいっ、めちゃくちゃカッコイイ！！」

Aに褒められると
嬉しくけどなんかくすぐったい。



耐えられなくて適当に流して水割り作ってると
巻き戻してもう1回見てるから

「はい、もうおしまい」

リモコンを没収してテレビに変える。



「えー」

「もういいでしょ」



何これ、罰ゲーム？
なんて思ってると横からAが抱きついてきて

「カッコイイね、ニカ」

嬉しそうに言われて。



さすがに悪い気はしないし
Aからの『カッコイイ』はやっぱ嬉しい。



「ありがと」


御礼を言うとAが嬉しそうに笑うから。



俺もAがいいな、って思う事があったら
素直に褒めよう、なんて思った。



-END-

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