Quite Talk

ジンクス(すぐ近くにいる ki) 1 ki ページ4

Aと付き合って3年目。

一緒に居るのが当たり前過ぎて
逆に居ないと落ち着かない日々。



この前たった1泊の出張だったのに
ホテルで1人で寝るのが落ち着かなさ過ぎて

「そっちはどう？1人で寂しくねーか？」

なんて無駄にAに電話して

『大丈夫だよ、1泊でしょ？いま明日夕飯用の煮豚仕込んでたよー』

のんびり答えるAは
俺が居なくても平気そうで悔しい。



仕事でどんなに疲れてても
休みの日にAと過ごすと元気になれて
また1週間頑張れた。



なんて話を彼女がAな事を伏せて会社の喫煙所で話してたら

「それ、やべぇぞ」

先輩に言われる。



「何でです？」

「家事させて土日はゴロゴロしてるだけで出掛けもしないとか。離婚の原因1位だぞ」



別の先輩にも

「付き合って何年目？」

「…んー、3年目ッスね」

答えると

「「あー…」」

先輩達はやっちゃった、って顔をしてる。



「え、え、なんスか？」

戸惑ってると

「一番別れやすいよな、3年目」

「そーそー。ジンクスだよな、3年目」

ニヤニヤ笑うから。



やべぇな。

確かに最近家でしか過ごしてない。



でもデートしてうっかり誰かと鉢合わせしても困るし
とにかくAの作るものがウマ過ぎて
店で食うより幸せなんだよなー。



そんな話をして営業に出て
その出先から会社に向かう途中
どっかのお店からカレーのいい香りがした。



カレーか。
いいな、カレー食いたいな。

でもカレーはAが作るカレーが
世界一ウマいんだよなー。



会社に戻って予定を確認すると
今日は早く帰れそう。

宏光久しぶりに一緒にメシ食えそう。
Aのカレー食いたいな。

LINEをしてAを見るとスマホを手にしてる。



あ、見たな。



Aが俺を見るからA以外誰もこっちを見てないのを確認してニッて笑うと
Aも笑い返してくれる。

あー、幸せ。
Aが笑ってるとめちゃくちゃテンション上がる。



今日は早く仕事終わらせてAとのんびり過ごして
週末は久しぶりにドライブとか行くかな。



なんて思ってると帰る間際に一本の電話。

『この前提案してくれた案件、他社からさらにいい条件出されちゃったんだよね』

この前の泊まりの出張で取ってきた案件が
まさかのどんでん返しになったらしい。



『出来れば御社で進めたいからもうちょっといい条件、出せないかな』



そう言われると頑張らざるを得なくて。

慌てて資料を作る事になった。

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