太陽の当たる場所 10

after Dahlia 23 ページ39

ニカに抱き締められてると
ホッとする。

人騒がせな私に
優しいニカは全然怒ってなくて
むしろまだ心配してて。



ものすごく申し訳ない。



今日はもう寝よう、ってニカが提案してくれて
正直有難い。

ご飯より
とにかくもう横になりたい。

明日は早起きして何かニカが喜ぶもの作ろうかな。



なんて思いながらニカにくっついてたら

「え！！！！」

ニカが身を乗り出して大声を出す。



ニカに抱きついていた私はずり落ちそうになって
慌てて足で自分を支える。

そんな私にニカが慌てて

「あ、ごめん、めっちゃびっくりしてつい……ほら！」

支えてくれているニカの視線の先には
窓辺の一輪挿し。



真っ白な花が咲いていた。



「え！！！！」



私も声を上げて立ち上がると花に近づく。



真っ白な綺麗なお花。

咲いたんだ！！



「すごく綺麗ーー！！！」



大きなお花。

なんて名前なんだろう？
写真撮ってお花屋さんに聞いてみようかな。



「ね、咲いたね」



ニカが近づいてきて
後ろからハグしてくれる。



「あのね、A」



そのままニカが話し出す。



「たくさん、たくさんありがとう」

ニカは優しい声で

「お花のお世話もだけど。ずっとずっと近くに居てくれて、俺の事もいっぱい考えてくれて、本当にありがとう」

ギュッて私を抱き締めてくれる。



「優しいAが大好きで、これからもずーーっと、一緒に居たくて。だから俺の事、もっと頼ってもっと甘えて？」



ニカの優しい声を聞いて。

私がした事って
本当に間違ってたんだな、って思う。



「もう絶対いなくならない」

「ん、そーして？」



甘い口調のニカは嬉しそうに笑う。



うん、もうしないよ。

私がニカの立場でもニカが辛いなら知りたかったって思うし。



「でもなー、俺がAの立場でも黙ってた気がするんだよね」



ニカは同じタイミングでやっぱり同じ事を考えてて。

やっぱりこんなニカと離れるなんて無理だな、って思う。



「そしたら私がニカの家まで迎えに行く」

「実家知らないじゃん」

「北山さんやマネージャーさんにどんな手段使ってでも聞く」

「え、怖っ」



ニカとクスクス笑い合う。

どこか幸せな時間。


ニカを振り返ると
至近距離で見つめ合う。



「A、大好き」

「私も。ニカの事、大好き」



少し長めにキスをして
ゆっくり離れる。

また見つめ合うと照れくさくて。



そんな私たちを
お花が静かに見守ってくれている気がした。

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