太陽の当たる場所 10

after Dahlia 22 ページ37

ニカを見送って
駅で買い物して
ニカが喜ぴそうな焼酎を選ぶ。

他にもおつまみとか
北山さんとマネージャーさんにもお土産を買ってると
下腹部に違和感を感じる。



…もしかして。



トイレに向かうと感じた違和感は正解で
生理が来ていた。

やっぱりホッとしたのと
北山さんのマネージャーさんやニカに話した途端コレって。



あと少し早ければみんなに迷惑掛けなかったのに。



ニカに生理が来たことをLINEして
マネージャーさんに電話をする。

タイミング良く出てくれて
生理が来た事を報告すると

『遅れて来た生理は量が多かったりいつもより痛いので早くゆっくりした方がいいです』

優しい言葉を掛けてくれて

『基礎体温はつけるようにして下さい。色々な目安になりますよ』

ってオススメのアプリも教えてくれた。



電話を終えて
すぐに来た新幹線に乗る。

途中でドラッグストアで
記録が残せる基礎体温を買って帰って
シャワーを浴びたけど
まだニカは帰って来ないし返事もない。



せめて休憩のタイミングでは見てるハズなのに。

LINEは既読にもなってない。



A今どの辺?



送ってため息をつく。



ニカ、呆れたかな。

人騒がせな、って怒ってるかな。



泣きそうになってるとスマホが鳴る。

「は…」

はい、って言う前に

『ね！大丈夫！？』

すごい勢いのニカ。



「…え？」

『体、どこか悪いとかじゃなくて！？』



ニカはものすごく焦ってる。



「えっと、…多分、ただ遅れてただけかもしれなくて…」

なのに騒いで申し訳ないんだけど。

『ホントに！？絶対！？明日病院行く！？』

凄く心配してる声に。



ニカの優しさが堪らなくて
涙が溢れてきた。

『…A？』

胸がいっぱいで何も言えない私に電話口のニカは心配そうに声を掛けてくる。



「……私、……何で……？」



私、ニカに迷惑掛けてるのに、何でニカはそんなに優しいの？

そう言いたいのに言葉にならない。



電話を切ってすぐに帰ってきたニカは

「ただいまっ」

玄関から声がしたと思ったらそのままバスルームに行く音がして
少しして濡れた髪のまま出てきてリビングに現れると
ソファから立ち上がった私を抱きしめる。



「……良かった、ちゃんと居て」



ニカはものすごく強く私を抱きしめる。

「お腹痛くない？辛くない？大丈夫？」

私より泣きそうな声で聞いてきて。



心配かけて申し訳なくて。



「ごめん、ニカ」



謝るのが精一杯だった。

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