太陽の当たる場所 10

after Dahlia 21 side 2 ページ36

新潟駅に着くとAが

「じゃあ、後でね」

あっさり車から降りようとしてて。



「だから、荷物持ってきなよ」

「平気だって。着替えだけだし」

「だめ。早く」



さすがにメガネとキャップをしてるから
バレないはず。

とは言え、早い方がいい。



「ほら、早くっ」

「…分かった」



全然分かったって顔をしてないAに笑いそうになるけど。



すぐに荷物を持ってきたAは

「じゃあ、後でね」

あっさりと行ってしまう。



もー少し
寂しがってくれてもいーのに。



ニカ早く帰って来てね

高速に乗る前のコンビニでAにLINEすると

A新幹線の方が早いよ

Aから冷たく返ってくる。



ちぇっ。



Aだから、買い物して帰るね

なんて呑気なLINEが来てる。



あのさー、
荷物減らした意味ないじゃんっ。



ムッとしたけど

Aニカのいない家に1人で居たくない

素直な『寂しい』っていうLINEが来たから
同じ気持ちなんだ、ってニヤけちゃう。



早く帰ろうと思って
そこからは休憩無しで帰った。



東京に入る頃スマホが光ったから
多分Aが帰って来たんだろう。



そう思ってスマホ見ないで駐車場に着いてから
スマホを見るとLINEが2通来てた。



A生理、来た

A今どの辺?



え！！！！

生理、来たの？

てかそれって流産とかホントは体悪くしてるとか
冷やし過ぎてとか無理しすぎてとかじゃないよね？



慌てて電話すると

『は…』

「ね！大丈夫！？」

Aが喋る前に被せる。



『…え？』

「体、どこか悪いとかじゃなくて！？」

『えっと、…多分、ただ遅れてただけかもしれなくて…』



Aがどもってて。



「ホントに！？絶対！？明日病院行く！？」

畳み掛けるように言う俺に

『……ぐすっ、ズっ…』

電話の向こうのAは鼻を啜ってる。



何で？

「…A？」

声を掛けると

『……私、……何で……？』

泣き出すAを今すぐ抱き締めたいけど。



まず、シャワー浴びないと。



「A、もうおうち？」

『ん』

「シャワー浴びた？」

『ん』

「分かった！俺ももう駐車場だからちゃんと部屋かベッドで暖かくして待ってて！！」

『…うん、…っ、分かった……』

「絶対だよ！約束ねっ」



何でそんな泣いてんの？

もー、やっぱり1人にしなきゃ良かった！



荷物を抱えて慌ててAの待つ家に向かった。

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