太陽の当たる場所 10

after Dahlia 24 side 2 ページ42

「何考えてるの！？」

シャワーから出てきたAに怒ると

「冷蔵庫空っぽじゃん。こんな早くにUberEATSも頼めないし」

Aは全然悪いと思ってない顔をしてる。



確かに冷蔵庫は空っぽだし
お腹も空いた。
ってゆーかめちゃくちゃ空いてる。



でもだからって

「まだ外暗いでしょ！？」

「明るいところしか通ってない」

「寒いのにっ」

「ものすごく温かい格好したよ」

「ダメだって！今日まだお腹痛い日でしょ！？」

冷やしちゃダメって言うのに。



怒る俺をよそに

「ごめんね、でもニカと美味しい朝ごはん食べたかったの」

Aはものすごく申し訳なさそうだけど。



俺が怒る顔を緩めたら
緊張を解いたのを見逃さなかった。



ほら。

これで許されたって思ってる。
許してなんかないけど。



「ご飯作るね」

立ち上がって逃げようとするAを

「話まだ終わってないよ！」

追い掛けて後ろから抱き締めた。



「ねぇ」

「なに」

「ご飯作るよ」

「知らない」

「仕事遅れるよ？」

「大丈夫、今日昼から」



そういえばAと予定の共有って
してないな。

だいたい前の日に次の日の予定話すけど。



お互いLINEそんなに好きじゃないから
すれ違ったり予定分かってなかったりするよね。



そんなAに誕生日に欲しいものを聞くと

「…んーー。電気圧力鍋か、コーヒーメーカーか、無水調理器か…」

何だか料理で使うものばっかりで。



「何それ、料理道具ばっかじゃん」

「ニカとここで使えるし」



なんて、また俺のこと考えちゃってる発言。

「……」

ホントに反省してる？
さすがにどうかと思うんだけど。



「ねぇなんでそう自分の事考えない事ばっか言うの？昨日約束したでしょ？」

さすがに怒ると

「そもそもプレゼントいらない。ニカが居れば」

Aから真っ直ぐな瞳で言われて。



ほんと？

Aはたまに
照れちゃうよーな事を普通に素で言ってくるから照れくさくて。



「…そんなのこれからはずっとなんだからプレゼントにならないじゃん」



そう言い返すのが精一杯。



「そうなの？」

「そうでしょ？違うの？」

「じゃあもう私はこれから先ずっとニカさえ居れば何もいらないかな」



さらに上の返しをされた。

結局、Aの手のひらでら転がされてる気がする。



「そんなに俺が好きなのによくお別れしよーとしたよね」

「ね。自分でもびっくりする」



屈託なく笑うAを見て
こっそりプレゼントを決めた

after Dahlia 25→←after Dahlia 24

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す