太陽の当たる場所 10

after Dahlia 11 ページ13

ニカの言い方に
腹が立ってるところに

『全然意味分かんない。理解も出来ない』

ニカは言った。



それはそうだろう。

ニカからしたら意味不明なはず。
私だって正直意味分からない。



なんで私は新潟に来たんだろう。

新潟よりも行くべきなのは病院なのに。



でももうどうでもいいとも思った。

色々不安になって衝動的に新潟に行った事を話したら
なんで不安になったかニカに言わなきゃいけない。

そうなると病院にも行くことになって
現実を受け止めなきゃいけない。

出来てても困るし
出来てなくて良かったって思うのも嫌だ。



それならもう
ニカともこれで終わりにしよう。

ニカだってこんなわけわかんない女の相手しなくても良くなるよ。



だから

『多分、ニカと私、ダメなんだと思う』

自分から終わらせた。



ニカは慌ててたけど
ごめん、ニカは悪くない。

もう最低な事言って嫌われた方がいいから。



一方的に電話を切った。

LINEをブロックして電源も落とす。



駅で大泣きしてる女。
そりゃ目立つよね。

周りがジロジロ見てるのが恥ずかしくて
その場から離れた。



駅前のホテルを取って
最低限の買い物をコンビニですると
ホッと一息つく。



………何してるんだろう、私。



怖くてスマホの電源は入れられなかった。

着信の記録があっても無くても嫌だった。



そのままダラダラ過ごして朝になる。

恐る恐る電源を入れると
着信のお知らせが来てて。



見ると北山さんだった。



…なんで北山さん？

不思議に思ったし
何か連絡かな、とも思ったけど
ニカからの着信が無かったのが悲しくて。



…悲しい？

自分から手放したのに？
子供出来てなくてホッとしたのに？



やっぱり色々考えるのが嫌になって
時計を見るとチェックアウトの時間だったから
とりあえずホテルを出る。

駅ビルで服を買って
今まであまり着ない可愛い服を買って
自分へのプレゼントにする。



これから1人で生きるんだから。

頑張るためにもテンション上げよう。



買った服をそのまま着替えて
急いで帰る必要が無くなったから
ブラブラと駅を歩いていると
ふとお父さんのお墓参りにも行きたいな、って思った。

電車を使った行き方を調べると
バスを使って行けるみたいだったから。



思い切ってお寺に電話すると住職さんが来ても大丈夫だって教えてくれたから
お花を買ってお寺に行った。

住職さんとお墓に向かうと
そこには先客がいた。




…私の、母親だった。

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