すぐ近くにいる another story 8

シロツメクサ Ki -side K- 62 ページ11

少しのんびりしてから
ベッドに入る。

シャワーから上がって
ベッドに行くと
ヒロはもう寝てて。



…疲れてるのかな。



起こさないようにそーっと入るけど

「…あ、寝ちゃってた」

ヒロが起きる。



「ごめん、起こしたね」

「ううん、寝るつもりなかったの…」



言いながら俺に寄り添うヒロは

「…香りとね、なんだろう、部屋の雰囲気かな。ものすごく落ち着く」

緩く俺の背中に腕を回すと

「………来て良かった」

小さくヒロが呟く。



疲れてるのかな。
なんだかホント珍しく甘えてる。



「…毎日来ればいいのに」

ヒロの頭を撫でると

「んー………」

ためらってるのか、眠いのか。
小さく唸ると俺の胸に顔をうずめて少しして寝息を立てる。



可愛い。
めちゃくちゃ愛しい。

しばらく頭を撫で続ける。



少しして

「…ん」

ギュッとしがみつくように抱きつくヒロは

「……幸せ………」

小さく呟く。



寝ぼけてんだろーな。
だから俺も呟く。

「ね、幸せだよね」

ポン、ポン、と背中を叩くと「ふふっ」て小さく笑うヒロ。



初めて
自分から『抱きたい』って思った。

女の子から『抱いて』って言われたり
流れでそーなる以外で。



ヤバ。

このままだと襲っちゃいそう。



ただヒロの癒しの力はサイコーで。

すぐうとうとしてきちゃう。



朝になって俺のスマホが鳴るけど
気持ち良くてそのまま寝てると

「……んーーーー」

ヒロが起きちゃう。



「ごめん、起こした……」

慌ててスマホを止めると

「ううん、私も起きたいの、今日は」

ゴソゴソと動くと起きるヒロは

「おはようございます…」

目をゴシゴシ擦る。



「だーめ、目に傷つくよ？」

擦る手をとって止めると

「んー……かゆいぃーー」

俺の胸に顔を擦りつけてくる。



なんなの？
めちゃくちゃ可愛いんだけど。



…じゃない。

「だーめってば」

「んーー…」

「ほら、なら顔洗ってきな」

「……そーする」



起き上がるヒロは珍しくぽ〜っとした後で
我に返ったのか俺を見て

「………恥ずかし、寝ぼけてた」

「うん、かわいいー」

俯くヒロの頭を撫でると

「無理、恥ずかしくてどーにかなりそう」

俺の腕から逃げようとするヒロの顎を掴むと上に向ける。



目をうるうるさせて真っ赤になってるヒロは
めちゃくちゃ可愛いくて。



ダメだ、ホントに襲いそう。

めちゃくちゃヤバい。



この時はいつ太輔との約束を果たそうかな
なんて呑気に考えていた。

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