太陽の当たる場所 9

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ニカのライブが無事始まって
数日後。

私は私で服部先輩の業務を
一部引き継ぐことになる。



その挨拶回りに
一緒に行った時にお得意さんに

「えー？女の子なの？大丈夫？」

ものすごく感じ悪く言われた。



そこは何台も仕事で使う営業用のバイクを持っていて
そのバイクの定期的なメンテナンスと修理をやっているのが服部先輩だった。



「腕は確かなんですよ」

「でも女の子でしょ？技術的にどうなの？ホントに大丈夫？」



服部先輩がフォローしてくれても
全然ダメだった。

なんなら修理も今後のメンテナンスも他を頼むかも、まで言い出されて。



さすがに落ち込んだ。
担当が田原先輩なら継続出来るのかな、とも思ったけど

「服部に負けない技術はあります！」

私も言うと服部先輩が驚いて私を見た。
そして

「Aはうちのガレージで一番仕事が丁寧でスピードも早いですから」

フォローしてくれる。



その人は少し考えてから

「…じゃあテストさせてよ」

私を見て言う。



「バイク1台用意するから。それをエンジン掛かるようにしてよ」



どうやらそのバイクは
エンジンがかからなくなって数年経つらしい。

そしてその修理にかかった費用はバイクにエンジンがかかったら出してくれるって言う。



「その子が1人で出来るか見たいからここで修理してよ。日は来週のいつでもいいから」



なんて言ってくる。

私は受けて立ちたいけど
オーナーがなんて言うか…。



勝手に決めたら怒られないかな、と思って困ってると

「明日でもいいくらいですよ」

服部先輩は勝手に答えてる。



え、いいんですか？

オーナーに怒られないですか？



「へー。まぁ服部君がそこまで言うならきっと相当自信あるんだろうね」



戸惑う私に勝手に上がるハードル。

もう笑うしかない。



「じゃあ追って連絡します」

「お待ちしてます」



勝手に連絡をする約束をしてる服部先輩と
受けてるお得意先。



オーナーに報告すると

「Aが女だから出来ないって決めつけは確かに腹立つな」

ってオーナーまで言い出して。



こうして私は明後日
そのテストを受ける事になる。



その日はお店が定休日だから

「次の日は代わりに休んでいいからな」

オーナーに言われる。



その代わりの休みに祐介君や充君と遊ぶ約束をして
ひたすら勉強する。



ニカにも連絡して
会えない事を伝えたら

「んじゃ合格したらお祝いしよっ」

って言われてものすごくやる気になった。

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