太陽の当たる場所 9

4U 21 side 2 ページ36

Aの
『高嗣』呼びが嬉しくて
ニヤニヤしちゃう。

抱き締めると
耳まで真っ赤になるA。


「高嗣って呼ぶ方が良かったの？」

「ん？…あー、まぁどっちでもいいんだけど」

「いいんかいっ」

「Aが呼んでくれるならどっちでもいーけど、さっきも言ったけどAも『ニカ』になる時おかしくない？って思っただけ」



どっちも『ニカ』になっちゃうから
訳わかんないじゃん。

また照れちゃうAがめちゃくちゃ可愛い。



「…ちょっと、そこで照れないてよ」



こっちまで照れくさい。
誤魔化すように抱き締める。



抱き締められたまま片付けを続けるAは

「ニカ」

普通に呼んでくる

「ん？」

そして

「…高嗣」

顔を見ないで呼んでくれて。



呼び方はなんでもいい、って言ったけど
やっぱり『高嗣』が嬉しくて

「んふふ、なーに？」

笑っちゃう。



『高嗣』って呼んでくれるの
家族くらいだもん。

なんかくすぐったい。



「ジャイアン」

「は？」

「スネ夫」

「…ん？」

「出来杉くん…や、コレは違うな」

「はぁ？」



いろんな呼び方をして少し考えてから

「ニカ」

改めて呼んでくる。
さすがに意味が分からない。

多分いま怒った顔しちゃってると思う。



でもAは

「『ニカ』も『高嗣』も『ジャイアン』もニカだもんね。うん、好きに呼ぶ」

勝手に納得してて。

「……はあ？」

好きに呼べって言ったものの
何だかこっちは納得いかないな、なんて思ってたら

「どんな名前でも、好き」

照れくさそうに言ってくる。



さっきの『嫌い』の連続からの『好き』が嬉しくて。

まぁAから呼ばれるなら
『ニカ』でも『高嗣』でも『ジャイアン』でもいいな、なんて思う。



「…そっかぁ」



嬉しくて笑うとAも笑う。

大好きなAの笑顔が堪らなくて
もっとイチャイチャしたくなっちゃった。



「シャワー、一緒に浴びよ」

「え、狭いじゃん」

「いーじゃん。一緒に入ろ。それか先にえっちしよ」

「は！？」



驚いてるAに

「…したくなっちゃった。ダメ？」

Aも素直になってくれたから
俺も素直に言ってみたら

「………」

Aが『いい』のかわりに潤んだ目で俺を見てくるから。



包み込むように抱き締めてキスをすると
Aの手が俺の背中に回って。

シてる最中に『高嗣』って呼ばれたら
誰にも呼ばれた事がない色っぽい『高嗣』の呼び方に
ものすごく高まって。



めちゃくちゃシちゃった。

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