太陽の当たる場所 9

4U 11 ページ15

久しぶりだから
話は尽きない。



ずっと3人で話していた。



祐介君と充君は
小さい頃からずっと一緒にいたから
祐介君がこっちに来た1週間ちょっとで
もう寂しかったらしい。

「昨日こっち来たんだけど早く話したくて2人でモーニング行ったくらい」

「な」

2人は楽しそうに話してる。



「てゆーかさ、さっきから気になってたんだけどAちゃんのそれ何？」



充君が私を見て顔をしかめて言うから
首元のが見えたのかな、と思って

「…何が？」

何となく襟元を正すと

「シャツ。男物じゃん。彼氏の？」

充君が言う。



「え！そーなの？」

「ホラ、ボタンの合わせが俺のと一緒」

「……あー、ホントだ」

充君は自分シャツの合わせを祐介君に見せながら言って
祐介は見比べて呟く。



充君に言われなければ
祐介君は気づかなかっただろうな。



「…うん、そう」

「へー、そっか」



私が頷くと充君は気づいた割には特にそこから突っ込まないから

「え？なにそれ、聞いただけ？」

祐介君が逆に聞いてくる。



「うん。まだ続いてるのか気になっただけだから」

充君は淡々と言うと

「…そっか」

祐介君は納得したのかそれ以上その話はしなくて。



「ね、ね、絶叫乗ろうよ」

祐介君がはしゃぐから

「はいはい」「うん」

キスマークがバレなくてホッとしてると
走り出す祐介君を追いかけて歩く私に

「……見えてる、首」

ボソッと充君が言う。



「え？」

「俺の背だと見える。首」



充君は背が高い。
ニカより大きいくらい。

だから見えるのか。



チラッと私を見下ろして言う充君は

「で？シャツ貸してくれたの？Aから借りたの？」

淡々と聞いてくるから

「…向こう、から」

首元を整えると

「そっか。…ラブラブなんだね」

少し笑う充君。



ラブラブ、なんだろうか。
迷っちゃうとそんな私に気づいて

「ラブラブじゃないの？」

聞いてくるけど。



そもそもラブラブって何？



「普通だよ」

「いや普通貸さないからねシャツ。むしろ男と出かけるなんて言ったらそれ見せびらかすから」



充君は言うけど。



……そうかな。



「いい奴じゃん、彼氏」

「こんなところにキスマークつけて？」

「……確かに」



クスクス笑う充君に
何だか腑に落ちなくて。



キスマークとか勝手につけるニカは
本当に私が大切なのかな。



「少なくとも私は大好き」

「はいはい、ごちそーさん」



はしゃぐ祐介君を2人で眺めながら
後に続いた。

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