太陽の当たる場所 9

4U 9 side 2 ページ12

お風呂上がり
ご飯を食べてると
スマホがたまに『ブブブッ』て
鳴ってる音がする。

Aは特にスマホを見ることなく
テレビを見たり俺と会話をしてる。



さすがにこっちが気になる。

「ね、スマホ鳴ってるけど大丈夫？」

「うん。多分祐介君たち」

言ってるそばからまたスマホが鳴ってる。



「祐介君たち？」

「あー、ほら、叔父さんのお店にいた若い子。幼なじみなの」

「へー、そうなんだ」



明日遊びに行くことを話してくれたAは

「で、祐介君とともう1人新潟から幼なじみが来て明日遊ぶからその行先を2人で決めればいいのに私も入れたグループLINEで話してるから…」

そこまで言って言葉を区切るAは

「あ、うるさい？電源切るけど」

スマホを取り出す。



いや、そこまでは…

「ううん、全然。返事しなくていいのかなって思っただけ」

慌てて言う。



「幼なじみって男の子なの？」

「うん。……あ」



聞くと普通に頷くAはダメかな、って顔で俺を見るから

「ん？行ってきたらいいよ」

出来るだけ普通に答える。



嫌だ、なんて言いたくないし
じゃあ俺も友達と遊びに行かないで、って言われたら嫌だし。



「……うん。でもニカが早く帰って来るなら夜には帰ってくるよ」

Aは言うけど

「いいんじゃない？たまには友達とご飯してきても」

久しぶりに会うならゆっくりしてきたらいいと思って言う。



「そっか。………じゃあそうしようかな」



Aは笑って

「ごちそうさまでしたっ」

手を合わせてから食器を持って席を立つ。



「ニカ飲む？準備するよー」

食器を洗いはじめようとするから

「洗い物だけやって？お酒は俺がやるよー」

慌てて声をかける。

「はーい」

洗い物を始めるAの死角で
お酒やおつまみを用意する。



洗い物が終わる頃に

「じゃーーんっ」

カウンターからAがお気に入りの
限定の焼酎を取り出すと

「えー！うそーーーっ！！！」

Aがものすごく驚いて嬉しそうな顔で笑う。



「お祝いだからね」

「え！え！！めっちゃ嬉しい！！！」



ホントに嬉しそうなAは
満面の笑顔でホントにはしゃいでて

「ニカありがとーっ！ヤバい！ホントに嬉しいっ！」

めっちゃ嬉しそーに笑う。



でもその首元から見えるキスマークが
何だか申し訳なくて。

酷いことしちゃったなー、って思う。

しかも男物のシャツ貸すとか
結局それだってある意味『彼氏』の匂わせだし。





相当痛いな、俺。

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