after ただ君と 10 ページ29
宏光と一緒に
お兄と由紀さんからおばあちゃんの話を聞く。
もうこれ以上の治療は体に負担を掛けるから残されていなくて
痛みを緩和するケアを病院で行うか
自宅で痛み止めで居られる間だけ家に居て最期を迎えるかの選択を迫られているらしい。
お兄ができるだけ早く私に帰ってくるように言ったのは
コレがあったからだったようだ。
「…おばあちゃんは、何て?」
「もう痛いのは嫌だ、って。それだけ。うちでも病院でもどっちでもいい、って」
お兄は言う。
何となくわかる。
おばあちゃんとしてはどちらにしても私たちというかお兄と由紀さんに負担がかかるから
私とお兄に決めて欲しいって事か。
「お兄たちは?」
「ばーちゃんは多分家がいいだろーな、って思う」
「…だよね。でも」
「そ、俺たちがずっと家にいるのは無理だって心配してる」
さすがに分かる。
おばあちゃんが気にしてるって。
「私は買い物くらいしか出掛けないから私が居るよ、って言ってるんだけどね」
由紀さんは少し寂しそう。
由紀さんが本音で言ってくれてるのがわかる。
由紀さんはおばあちゃんの事を本当に大好きだし
おばあちゃんも由紀さんが大好きだ。
ということは
「うん、私がおばあちゃんに言う」
「ん、頼むな」
お兄がホッとした顔をしてる。
「私も、たまに帰ってくる」
「無理すんなよ」
「無理しないよ。もうマネージャー間で話してあるから大丈夫」
ただ気になるのは
宏光がハチさんと距離詰めたら嫌だな、って思うくらい。
でもそんな事言えない。
宏光にも、お兄たちにも。
「よし、なら寝るか」
「そうだね。でもAちゃんたちお風呂入るよね?」
「はい」
立ち上がってお風呂に向かおうとする由紀さんが振り返って
「あ、Aちゃんと北山くんならお風呂も一緒に…」
なんて由紀さんが言うから
「入りません」「ダメだ!」
私とお兄が慌てて止める。
「えー?俺は別にいいッスけど…」
なんて宏光が呑気に言うから
「ダメですっ」「アホか!」
Aとお兄が怒ると宏光も由紀さんも楽しそうに笑ってる。
場が和んだけど宏光の顔が全然冗談言ってる顔をしてないから
役者モードでこうなってるのか本気なのか
どちらにしろ複雑な気持ちになる。
みんなで笑ってるテーブルの下で
宏光が私の手をポンポン、って優しく叩く。
宏光を見ると
優しく笑ってくれてて。
ホッとしたし
やっぱり宏光が居ると心強いな、って思った。
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shizu(プロフ) - ごまさん» コメントありがとうございます!続編ちょこちょこ書いてますのでそちらも読んでいただけると嬉しいです🍀 (2023年4月6日 7時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
ごま(プロフ) - このお話本当に大好きでした。完結してくださりありがとうございます。 (2023年4月5日 0時) (レス) @page50 id: 65630f1c21 (このIDを非表示/違反報告)
智子(プロフ) - わーい!!またこの2人に会えるのですね😍楽しみに待ってます!! (2023年3月28日 23時) (レス) id: 87449810a3 (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - みさん» また書けるようにあっさり、それでも2人らしく終わらせてみました!コメントありがとうございます🍀幸せな気分になっていただけたなら嬉しいです❤️ (2023年3月28日 9時) (レス) id: 4bd01c80d1 (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - 智子さん» なんだかんだこの2人大好きなので多分ちょこちょこ書きます🍀既にいくつか書きたいので(笑) (2023年3月28日 9時) (レス) id: 4bd01c80d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:shizu | 作成日時:2021年6月21日 20時