サイボーグな彼女 16

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「「「お疲れ様でしたー」」」

撮影が終わって
宏光が一番に着替えに向かう。



今日は最初は宏光のソロの仕事で
後半は二階堂さんと千賀さんと撮影で
ハチさんがついていた。

これで今日の仕事は終わり。

いま19時過ぎだから
日付変わる前にはおばあちゃんちに着くだろう。



武田さんに仕事が終わった報告をしてると

「Aさん」

ハチさんに声を掛けられる。



「はい」

「今日早めに終わったしみんなでご飯行きませんか？」

「…ごめんなさい、今日は予定あって…」

「……そうですか」



寂しそうにハチさんに言われて
申し訳ない気持ちになる。



「北山さんもですか？」

ハチさんに聞かれて

「はい、今日は先約があると…」

嘘ではないから答えるけど
どこか後ろめたい気持ち。

「……そうなんですね、残念です」

ハチさんはガッカリしてるから
やっぱり申し訳ない。



気まずいので武田さんへの報告を終えて

「報告終わりました」

話題を変えると

「ありがとうございました」

ハチさんが笑うから少しホッとして控え室に戻ると
宏光も、二階堂さんも千賀さんも既に着替えを終えていた。

相変わらず皆さん帰り支度が早い。



「わーい、帰ろ帰ろー」

二階堂さんが服をハンガーに掛けながら言って

「Aちゃんゴメン、俺トイレ行きたいから片付け頼んでいい？」

千賀さんが私の返事を聞かずに出口に向かう。

「はい、ごゆっくり」

「ありがとう！ごめんね！」

千賀さんのを片付けてると

「お、さんきゅ」

声が聞こえて顔を上げるとハチさんが宏光の片付けを手伝っている。



やっぱりズキッとする。

けど、そんな事言えない。



「ねー、Aちゃん今日行けるー？」

二階堂さんから聞かれて
どうやら今回は二階堂さん発信な事が分かるけど

「ごめんなさい、今日は用事が…」

「そっかぁー、残念」

二階堂さんがガッカリしてて申し訳ない。



「千賀が今日全然ご飯食べなくて元気ないの。ちょっと心配で…」

「…そうなんですね」



でもさすがに出発が遅くなるのもちょっと…と思ってると

「千賀は俺たちより何でも話せる二階堂と優しいハチだけの方が気楽だろ」

宏光が言うと二階堂さんは

「……そんな事ないよ」

少しだけニヤけて照れてるから可愛い。



「また、行きましょうね」

ハチさんが言うけど

「…はい」

宏光ありきの私だろうと思って
すぐに頷けない。



性格悪いな、私。

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