サイボーグな彼女 16

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7人での仕事の後。

メンバーが着替えてる間に
マネージャーミーティングで
今後急に休む可能性がある事を伝える。



「…そうか」

武田さんは言うと

「何かあったらすぐ言えよ。フォローするから」

周りを見渡すと
小林さんもハチさんも頷いてくれて

「事務仕事は自分やっとくッス」

杉山さんがこの後で私がまとめる予定だった書類を受け取ってくれちゃう。



「でも私が…」

これはせめてやる予定だったのに。
でも

「大丈夫ッス。少しでも負担がない方がいいッス」

杉山さんが鞄に仕舞ってしまう。



申し訳ないんだけどな。

そのタイミングで舞台の担当さんから電話が来て
一瞬外して戻るともう打ち合わせは終わるところだった。



「「お疲れ様でした」」



挨拶をして解散すると
帰り支度を終えたメンバーのところに戻る。



この後は舞台の取材で宏光と2人で移動だ。

宏光に近づくと目だけで合図を送られて
宏光の半歩前を歩いて皆さんに挨拶をして楽屋を出る。



エレベーターに乗るとたまたま2人きりになる。
そのタイミングで

「こーゆー時はお互い様なんだからな」

ふと宏光が言う。



私が気にしてるのが宏光に伝わってる。



「…はい」

「今まで杉山ちゃんの入院や酒井ちゃんがインフルになった時にみんなでカバーしただろ？それと一緒」

「……はい」



間を空けて返事する私に宏光は笑って

「ま、とはいえ気にするよな」

エレベーターがポンポン、と電子音を立てて到着の合図を鳴らす。



「今までAがみんなのカバーしてるの知ってるんだからたまには甘えろ。キヌエさんの事だからきっとまだまだ先だろーからさ」



わざと明るく言う宏光は
ポン、と私の肩を叩いてエレベーターを先に降りちゃう。



私が案内しなくても
スタスタと車に向かって歩く宏光は

「………」

振り返って何かを言いかけた。



「はい？」

「や、この後のインタビューって載るのは舞台スタート前？後？」

「前です」

「だよな」



当然分かっていそうな事を突然宏光が聞いてくる。

嘘の誤魔化し方が上手じゃない。



「……どうかしました？」

「んーー……」



少し迷った宏光は

「明日、念の為ハチに引継ぎしとこ。舞台の事とか。俺も同席するから」

私が嫌な顔をすると思ってたのか
言いにくそうに言う。



逆に申し訳ない。



「…はい」

「念の為だかんな」



こちらを振り返らない宏光の気遣いが
やっぱり申し訳なくて。



何も言えずに後に続いた。

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