never 23 side 2 ページ44
一週間Aと過ごしてみて
やっぱり何も気にする事ないって分かったら
いっそ一緒に住めばいいじゃんって思った。
いざそれをAに言うってなったら
ものすごく緊張して。
「一緒に暮らさない？」
真面目に言った。
緊張し過ぎて声が少し掠れる。
Aはフリーズして動かない。
あれ？聞こえなかった？？
「だから、一緒に暮らそ？」
もう一度言う。
Aは嬉しそうな困ったような
複雑な顔をしてて。
嫌じゃないことは分かるんだけど
無言だから不安になる。
「………だめ？」
聞いてみると
「えっと、ごめん」
あまりにあっさりごめんって言うから
さすがにショック。
えー………
ダメなんだー……ってものすごく凹んでたら
「急でびっくりして…」
Aが慌てて言う。
「もー！おどかさないでよ！ダメかと思ったじゃん！！」
かと言っていいのかと言ったらそうでも無さそう。
……どっちなの？
ものすごくモヤモヤする。
Aはずっと踏ん切りがつかない顔をしてる。
分かってる。
俺の事を気にしてくれてるって。
でももうAとすれ違いたくないし
嫌な思いしたくないしさせたくない。
毎日Aに会えれば元気になるし
Aだって元気だ。
それでいいじゃん。
そう思うのに。
Aは困った顔をしてるから
さすがに諦めた方が良さそう。
でも、Aは嫌な顔をしなかった。
それでいい。
だから困った顔のAをそのまま抱き締めた。
「ごめん、困らせるつもりじゃ無かったんだけどね」
「……」
Aはしばらく何も言わなくて。
でもAが今どういう気持ちか知りたかったから
ちょっと待ってみる。
少しして、ギュッてAは俺のシャツを握ると
「嬉しかった」
ちっちゃい声でAはいう。
良かった、やっぱり嫌な訳じゃ無かったんだ。
改めて確認出来てホッとする。
俺も嬉しかったから
「ありがと」
ギュッと抱き締めると小さく首を振って
「私こそ、ありがとう」
またちっちゃい声でAも言う。
しばらく抱き合ってて
お互いなんだか泣きそうになってた。
別に今まで通りでいい、って分かってるんだけど。
自分でも不思議だった。
何でいま急に
一緒に住もう、なんて言っちゃったんだろう。
でもこの時はなぜか
Aが本当にすっと一緒に居てくれるかな、っていう漠然とした不安が
どうしても拭えなかったんだ。
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shizu(プロフ) - junkoさん» コメントありがとうございます！一文字一文字読まれると誤字脱字が酷いのがバレて心配ですが(笑)見つけ次第治してますが見つけたらまたやったな、って思っていただけたら幸いです。また読みに来てください！ (2021年4月21日 7時) (
レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - れなさん» コメントありがとうございます！ニカにはこんな子がそばにいてほいしな、と思って書きました。ありがとうございます！ (2021年4月21日 7時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
junko(プロフ) - このお話大好きです。更新されるたびに大切に一文字一文字ゆっくり読んでます。これからも楽しみにしてます^_^ (2021年4月20日 1時) (レス) id: 74230b5629 (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - 更新ありがとうございます！素敵すぎて電車で泣いちゃいそうでした。 (2021年4月19日 9時) (レス) id: 0a653a5e8d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：shizu
| 作成日時：2021年3月27日 14時
