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never 12 side 2 ページ22

ソファに座り直して
Aを抱き締める。

やっぱりちょっと細くなった気がする。



しばらく抱き締めてたら

「あのね」

聞いた事がないくらい甘えた声のA。



この甘えた声が可愛い過ぎて

「んー?」

自然とこっちも返す声も甘くなる。



「最近ね、ちょっと嫌なことあって…」

Aがギュッて俺の背中にしがみついてくる。
大将と喧嘩したことかな。
それ以外なのかな。

「ものすごく悲しくなったんだけど」

Aが消えそうな声で言う。



腹が立ったんじゃなくて悲しかったんだ。
どうしたんだろう?
でも

「うん」

聞かないでただ頷く。



きっと後に続くのは
喧嘩の理由とかニカに会いたかったけど我慢したとかそんな話だと思ってた。

我慢ばっかりさせてごめんね、ってなる話なんだろーな、って。



あーあ、やっぱ俺って付き合うとか無理なのかなー。
大好きな子に我慢ばっかさせちゃって。

でも仕事が一番だから
どーしてもそうなっちゃうんだよ。

Aの事は大好きなのに。
下手したらフラれるな。



どっちに転んでもAに嫌な思いをさせた事に変わりはない。
謝る覚悟をしてたら

「悲しくなった時にね、ニカの笑顔思い出して『ニカならどうするかな』って考えて行動したの」

Aからまさかの話をされる。



…え?

思ってたのと違う。



「ニカのおかげで、前に進めたの」



言って顔をあげるAは幸せそうで。

俺が頑張ってるから頑張ったとか言われて嬉しすぎて
俺まで笑顔になっちゃった。



「俺、ちゃんとAを支えられてる?」

「うん。ニカが私の原動力になったよ」

「…マジで?」

「うん。ありがと、ニカ」

Aが笑う。



こんなに嬉しい事ある?

頑張ってて良かったって思える事ある?



一番大切な人が
俺が頑張ってるから頑張れたとか言ってくれるとか。



こんな幸せな事ないよ。

すごく胸が熱くなった。



「俺こそ、待っててくれてありがと」



愛しくてたまらない。
Aのほっぺに手を添えたらAが嬉しそーな顔になったから。

たまらなくなって何度もAにキスをした。



ちゅっ、ちゅっ、て音を立てたら
ものすごく愛しくてたまらなくて。



あ、ヤバ。
襲っちゃいそ。



思ったタイミングでまたキスをしようとしたら



ぐぅーーーーーー



今度は俺のお腹が鳴った。



すごく至近距離でAと顔を見合わせて笑う。



「ご飯にしよっか」

「うん」

でももう一度だけキスをした。

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shizu(プロフ) - junkoさん» コメントありがとうございます!一文字一文字読まれると誤字脱字が酷いのがバレて心配ですが(笑)見つけ次第治してますが見つけたらまたやったな、って思っていただけたら幸いです。また読みに来てください! (2021年4月21日 7時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - れなさん» コメントありがとうございます!ニカにはこんな子がそばにいてほいしな、と思って書きました。ありがとうございます! (2021年4月21日 7時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
junko(プロフ) - このお話大好きです。更新されるたびに大切に一文字一文字ゆっくり読んでます。これからも楽しみにしてます^_^ (2021年4月20日 1時) (レス) id: 74230b5629 (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - 更新ありがとうございます!素敵すぎて電車で泣いちゃいそうでした。 (2021年4月19日 9時) (レス) id: 0a653a5e8d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:shizu | 作成日時:2021年3月27日 14時

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