太陽の当たる場所 8

never 6 ページ9

ニカの寝顔。

最高に落ち着く。



ちょっと口を尖らせたニカは
すー、すー、と寝息をたててる。

重ねた手をたまにギュッて握ってくれて
それだけでとても満たされた。



たまにニカが私の頭を撫でる。
無意識なのか寝ぼけてるのか。

それも心地いい。



ぼーっとしてると眠くなって
いつの間にか寝ていて
めざましの音で目が覚める。



目を開けるとニカも起きちゃって。
ニカが起きるにはまだ早いから慌ててめざましを止めると

「…おはよ」

目をこすりながら寝起きの声でニカが言う。



「おはよ」

私も返すとニカが笑って

「『おはよ』に『おはよ』が返ってくるのっていいよね」

嬉しそうに言う。



確かに。

1人じゃないって思えてすごくいい。



だからキュンとしちゃって

「そうだね」

ギュッて抱きつくとギュッて同じようにニカが抱きついてきて。



「…10かぞえるうちに離れないと襲っちゃうかも」

甘く掠れた声でニカが言う。



また無意識で胸押し付けてたのかな。

「10…9…」

ゆっくりカウントダウンしてくるニカ。
でも私もニカとイチャイチャしたくなっちゃって

「…仕事に間に合うなら」

なんて返しちゃったから

「…1」

ニカのカウントが9から1になったと思ったら服の裾から手が入ってくる。



久しぶりのニカの手の感触。

ニカがする何もかもにキュンキュンする。



幸せに溺れて何も考えられなくなって。



終わった後でシャワーを浴びて仕事に行く支度をしてると

「今日、夕飯もココで食べていい？」

シャワーから出てきたニカが言う。



「うん、何か食べたいもの…」

「Aが作る焼きそばっ」



食い気味に言われて笑っちゃう。



「うん、分かった」

「あとね、炊き込みご飯も食べたいっ」

「太るよ？」

「その分動くっ」

ニカはトースターにパンを入れながら言う。



…ニカが喜ぶならそうしうよかな。



「じゃあ両方作るね」

笑いながら答えると

「Aだってあれば食べるよね？」

ニカは口を尖らせて不満そうに言う。



……確かにニカとなら食べれちゃう気がする。




「ん、食べる」

「よしっ！じゃあ決まりっ！俺ロックアイス買ってくる！」

「冷凍庫パンパンになっちゃうよー」

「小さいのにするから」



夜の約束が嬉しくて
テンションが上がって。

ニカが喜んでくれた五目ごはん作ろうって決めたら
今日も1日頑張れる気がして。



「行ってきます！」

「はーい」



ニカに見送られて仕事に向かった。

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