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never 2 side 2 ページ2

Aが
ものすごく『いい子』になってる。

久しぶりにAに会って
笑いを堪えて話す俺は多分ものすごく変な顔をしてるのに
文句言わず笑ってて。

料理を頼むのも俺が好きな物ばっかりだし
ずっとニコニコしてる。



俺に気を遣ってるのかな。
我慢させてるのかなーって思う。



ただ

「今週末くらいからリハが本格的に始まるからAんちに練習に行くよ」

伝えると

「うん、分かった」

頷くAがめっちゃ嬉しそうで。



あ、俺に会えるのが嬉しいって思ってくれてるんだ、って思うと
俺までめちゃくちゃ嬉しくなって。



あーもう、やっぱAって
俺を好きだなって思う。



そしてAは最近どうしてたのかなと思って

「ねぇ、Aは?」

「ん?」

「最近何か変わった事あった?」

聞いてみると

「会社の先輩が、独立する事になって…」

そこでAは一度話すのを辞めて少し上を向く。



ん?

どした?



俺も上を向いてみるけど天井があるだけで特に何も無くて。

「まだ3ヶ月先なんだけど寂しくなるんだよね」

Aは目線を戻して豚の角煮を頬張る。



さすがにおかしいって分かるから

「……何があったの?」

聞いてみるけど

「ん?別に何もないよ。寂しいなーって思うだけ」

明らかに何か隠してるのが分かる。



軽く睨むとAは困った顔をして

「…ホントだもん」

どこかむくれてるから逆に分かりやすい。



多分寂しいのは寂しいんだろうけど
言い出せない『何か』があるんだろうな。



「今日、泊まってく?」

それならこの後うちでゆっくり聞けばいいやと思ってたら

「ううん、何も準備してないから帰るよ」

Aは平然と言う。



え、久しぶりに一緒に寝れると思ってたのに。



それが顔に出たから

「…そんな顔されても」

Aも不満そうだけど

「言ったじゃん、これからしばらくはAがうちに来てって」

温泉でちゃんとお願いしたのに。
結局Aが来てくれたの1回だけじゃん。



…それもまぁ俺が微妙なリアクションしたから
Aが来づらくなっちゃったんだけど。



なのにAは

「ごめんね、今日は急だったからホントに何も準備してないんだ」

俺を責めずに申し訳無さそうに言う。



めちゃくちゃ俺に気を遣ってるAは
俺が嫌な思いしないようにしてるっぽい。

そしてさらに
俺が会いたがったから
せっかくのAの休みに無理させた事を気にして
さっきの違和感をそのまま忘れちゃってた。

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shizu(プロフ) - junkoさん» コメントありがとうございます!一文字一文字読まれると誤字脱字が酷いのがバレて心配ですが(笑)見つけ次第治してますが見つけたらまたやったな、って思っていただけたら幸いです。また読みに来てください! (2021年4月21日 7時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - れなさん» コメントありがとうございます!ニカにはこんな子がそばにいてほいしな、と思って書きました。ありがとうございます! (2021年4月21日 7時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
junko(プロフ) - このお話大好きです。更新されるたびに大切に一文字一文字ゆっくり読んでます。これからも楽しみにしてます^_^ (2021年4月20日 1時) (レス) id: 74230b5629 (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - 更新ありがとうございます!素敵すぎて電車で泣いちゃいそうでした。 (2021年4月19日 9時) (レス) id: 0a653a5e8d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:shizu | 作成日時:2021年3月27日 14時

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