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愛をこめて 2 ページ1

今日は
千賀さんとのレッスン。

スペシャル番組前の最後のレッスンだから
千賀さんも緊張し気味。

まず一度弾いてもらう。

最後の練習だけあって
緊張し気味な千賀さん。

ちゃんと弾けてるんだけど……

「……もう一回弾いてみてもらっていいですか？次は途中で止めるかもしれないです」

「うん…」

千賀さんが弾きはじめる。

途中でやっぱり同じところが気になる。

「…千賀さんストップ」

「はい」

弾くのをやめる千賀さんは
私が気づいてるコトを多分気づいていて。

「…手、痛いでしょ」

ズバリ言うと千賀さんが反応する。

「左手、出してください」

私が手を出すと
少し気まずそうに千賀さんは私の手に手を乗せる。

小指と薬指の間の手のひらのあるポイントを押すと

「痛いーっ！」

千賀さんは悲鳴をあげる。

……やっぱり。

「ここの筋肉というか筋を痛めてるでしょ」

マッサージしながら言うと

「え、そうなの？…ったたたたた」

千賀さんは相当痛いのか反応する。

無意識なんだ。

今日急にここまでなることは無いだろう。
ってことは

「昨日か今日、ずっと弾いてたでしょ」

「…うん昨日と今朝」

千賀さんが申し訳なさそうに答える。

やっぱり。

「練習のし過ぎ。目の下にクマあるし肌もガサガサしゃない？」

千賀さんの肌に手を伸ばすと
目にクマはあるけどもちプルな肌で。

「え、すごいっ」

「へぇっ？」

「こんなに目にクマあるのに肌がツヤツヤだね」

千賀さんの頬をしばらく触ってると

「tamaちゃん、触りすぎだよ」

顔を真っ赤にして千賀さんが言う。

「あ、ごめんなさいっ」

慌てて離すんだけど千賀さんは顔を真っ赤にしたままで本当に申し訳ない。

「不安かもしれないけど、明日のリハーサルまでもうキーボード禁止です」

言うと不安そうな顔をする千賀さん。

でもさすがにこのままだと本番で弾けないよ。

「テレビ的には盛り上がる展開ですけどね」

千賀さんのマネージャーの
酒井さんが言う。

「今の話、密着で使っていいですか？」

「……私が映らないなら」

「ですよねー」

私がテレビに出るのをNGなのが分かってるのに
酒井さんはちょいちょい私をテレビに出そうとする。

「ちょっと！酒井ちゃん！tamaちゃんを困らせないで！！」

千賀さんが怒ってくれるけど

「…なら練習やりすぎなんて展開作らないで下さい」

酒井さんが返す。

…酒井さんの言う通りだよ、千賀さん。