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シロツメクサ Ki -side K- 30 ページ29

俺のリアクションに
キョトンとしてるAさん。

その素の少し気の抜けた顔が
ものすごく可愛くて。



何だろう?

Aさんの挙動一つ一つが
可愛くて愛しくて。



とにかく

「だってさ、親を守るためにそうしたんでしょ?すげー優しいじゃん」

思った事を伝えるとAさんは驚いた顔をして

「優しくなんかないよ。自分の行動に自信が持てないだけ。また借金作るような人についていくかもしれないの」

悲しそうに首を振る。



……ってことは。

Aさんはオトコの借金で家族と縁を切って
今のお店で働いてるんだ。



なんなの?そのオトコ。

Aさんっていう1人の人の人生、最悪にしちゃってんじゃん。

会った事もない人にものすごくムカついた。



俺だったら
Aさんに悲しい思いなんかさせないのに。



「私の恋愛感情ってね、幼稚園で終わってるの」

Aさんが突然言う。



…じゃあ何で借金オトコについてったの?

好きだったから騙されたんじゃねーの?



なんて、言えない。

嫌われたくねーし、
そこまで首突っ込んでいいのかわかんねーし。



だから

「アハハ、随分昔じゃん」

笑って誤魔化した。



すげー白々しい「アハハ」って笑い方だった。
でもAさんは気にしてないみたい。

「そこで最大の恋して告白して失恋してるの」

続けて言って笑ってる。



そーかも。

俺も一番好きだったのは幼稚園で会ったAちゃんだな。



笑った顔が可愛くて
俺の事好きだって言ってくれて。



なのに素直になれないし意地悪しちゃったし。



「俺もだなー、一番の恋は幼稚園」

「ちょっと、乗っからないでよ」



Aさんは不満そうだけど。



誰かと両思いってそれ以来ねーもん。

『いいな』はあっても
『好き』って思った事ないし。



好きで好きで仕方なくて
離れたくなくて。

そんな思いAちゃん以来ねーもん。



「ホントだって!そこで酷いことしたからバチ当たって今もずっと失恋生活をだねぇ…」

「はいはい」

「もー!ちゃんと聞いてよ!」



笑いあってやっといつもの雰囲気に戻った。



Aさんが自分の事を話さないのは
自分の過去があまり好きじゃないからなんだって分かった。



別にそれならそれで構わない。

Aさんの過去がどうだって
いまのAさんが自分に誠実で人に優しい事に変わりはない。



今はそんなAさんのそばに
少しでも長く居たいな、って思った。

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shizu(プロフ) - ななこさん» コメントありがとうございます!伏線の回収に必死になってます(笑) そして早く各ストーリーの「その後」を書きたいので最近更新しております。また読みに来て下さいませ! (2021年3月1日 23時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
ななこ(プロフ) - すぐ近くにいるいつも読ませて頂いてます!!ここまで読んできて、過去のお話に全部繋がってるのがすごくてめちゃくちゃ楽しいです!!!これからも更新楽しみにしています! (2021年3月1日 21時) (レス) id: 6f285e02f0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:shizu | 作成日時:2021年2月21日 18時

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