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シロツメクサ Ki -side K- 29 ページ28

映画、
いい話だったな。

久しぶりにかーちゃんや
太輔とAに会いたくなった。



そして
同期のAやツカサの妹のAや
二階堂やよこーさん含めて
今までうちのことを誰にも話した事無かったんだけど
なんもなくAさんになら話してもいいかなって思って

「うち、ちょっと複雑で。親同士が再婚して俺と母親と妹は血が繋がってて、弟とは血が繋がってないの」

話してみた。



「へー」

「で、母親の家族が女ばっかりだから俺はばーちゃんの養子になって俺だけ苗字違うんだよね」

「え、そうなんだ」

「で、妹と弟がちょっと前に結婚して…」

「は?」

「今度子供が生まれるの」

「へー!」



Aさんはさすがだ。

別に驚いてても引いたりはしてない。



俺としては何ともない事なんだけど
家族ってどんなあり方だってあるんだし
変な顔をされなかった事で肯定してもらえた気がした。

だからつい聞いちゃった。



「Aさんのところは?」

「…ん?」

「家族。兄弟とかいるの?」



今までなんとなくプライベートな質問は避けてた。
だけど何だか聞いてみたくなった。

少しAさんに近づけたらな、って。



でも彼女は

「……えっと」

明らかに困った顔をしてる。



あ、やべ。

調子乗ったな。



さすがに分かる。
だから

「あ、ごめん。言いたくないならいいよ」

慌てて言うんだけど。



「私は、ね」

そこで区切ると意を決して俺を見て

「家族、縁切ったの」

少し泣きそうな顔で言う。



家族と?
縁を?

「切った?」

聞き返すと

「うん」

頷くAさん。



切られたとかじゃなくて

「…自分の意思で?」

切れるもんなの?縁って。

「うん」

しっかりとAさんは頷く。



聞けばAさんが自分のせいで迷惑を掛けないように縁を切ったって言う。

どうしようもない、って人が
自分の意思で縁を切るのかな。



「親子ってね、戸籍上の縁が切れなくて何があっても親子なんだって。だから『疎遠です』っていう事実がないと認めてもらえないんだって」



Aさんのその言い方が
家族を守るためにそうしたって事が伝わる。

これがいまお店で働いてる理由にも繋がってる事が
何となく分かる。

そしてこの本棚の雑誌や新聞が
真剣に仕事してる事も伝えてる。

更にAさんがこんな私だから距離取った方がいいよ、って俺に伝えようとしてることも。



だから

「すげーじゃん」

逆に尊敬しかしてない事を伝えた。

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shizu(プロフ) - ななこさん» コメントありがとうございます!伏線の回収に必死になってます(笑) そして早く各ストーリーの「その後」を書きたいので最近更新しております。また読みに来て下さいませ! (2021年3月1日 23時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
ななこ(プロフ) - すぐ近くにいるいつも読ませて頂いてます!!ここまで読んできて、過去のお話に全部繋がってるのがすごくてめちゃくちゃ楽しいです!!!これからも更新楽しみにしています! (2021年3月1日 21時) (レス) id: 6f285e02f0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:shizu | 作成日時:2021年2月21日 18時

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