シロツメクサ Ki -side K- 20 ページ19
そっからしばらく
Aは俺に会ってもそっけない。
二階堂にはロクに会えず
次の日から研修でいなくなるし。
事務所の紹介のアテンドを終えたAをやっとつかまえて
「今日飲みに行くぞ」
声を掛けたけど
「行かないから」
Aは目も合わせない。
なんなんだよ。
「二階堂なら…」
研修でいないって言おうとしたら
「二階堂君は関係ないっ！」
涙目で食い気味に言われる。
……マジなやつじゃん。
A、二階堂のことすげー好きじゃん。
そのまま俺に背を向けて歩き出すA。
そんなAにも
その原因を作ったであろう二階堂にもムカつく。
だから早上がりして
スーツからスエットに着替えて近所の焼肉屋さんに行く。
すると
「おばちゃーん！こんにちはーっ」
お隣のAさんが入ってきた。
何となく今日は1人でいたかったから
思わずAさんから見えないように隠れる。
「あらいらっしゃい」
「また来ちゃいましたっ。いつものお願いしますっ」
「はいよー」
おばちゃんがAさんに持ってきたのは
ビールの大ジョッキ、カクテキ、タン塩、ハラミと白いご飯。
「はいよっ！お待たせっ」
「わーい、ありがとうございますっ」
きちんと手を合わせて「いただきます」って小さくお辞儀をして
ビールを一気に3分の1くらい飲み干す。
いい飲みっぷり。
「……あーっ！美味しーっ」
美味しそうに飲むAさんに
「いつ見ても気持ちいいね」
おばちゃんが声を掛けてる。
「うふふっ。ここでのビールと焼肉が最近の私のご褒美なんですっ」
「あらそうなの？内緒でこれサービスしちゃうっ」
おばちゃんは店長に見えないように小皿でキムチを渡して
「わっ、ありがとうございます」
小声でおばちゃんに返すAさんは本当に幸せそうで。
美味しそうにそして幸せそうにビールを飲んで焼肉を食べるAさんの笑顔を見てたら。
この人と一緒にご飯食べたら
きっと楽しいだろうなって思っちゃった。
「おばちゃん！カルビ追加っ」
「はーい」
モリモリと幸せそうに食べて飲むAさん。
彼女を見てたら二階堂たちのことでモヤモヤしてたのがどーでもよくなって
俺も腹が減ってきた。
「すいませんっ！カルビ2人前っ」
Aさんに見えないよーに焼肉を頼む。
いつか一緒にご飯食べれたらなー。
絶対楽しいし幸せだろーな。
彼女の笑顔を盗み見しながら
そんな風に思った。
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shizu(プロフ) - ななこさん» コメントありがとうございます！伏線の回収に必死になってます(笑) そして早く各ストーリーの「その後」を書きたいので最近更新しております。また読みに来て下さいませ！ (2021年3月1日 23時) (
レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
ななこ(プロフ) - すぐ近くにいるいつも読ませて頂いてます！！ここまで読んできて、過去のお話に全部繋がってるのがすごくてめちゃくちゃ楽しいです！！！これからも更新楽しみにしています！ (2021年3月1日 21時) (レス) id: 6f285e02f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：shizu
| 作成日時：2021年2月21日 18時
