この想いの結末は ４

まさかそんな展開になるとは ページ50

何が不満なのかわからないけど、
もう不満そうなのすら可愛い。


「とにかく、笑わないからちゃんと言って？」

苦笑いしながら俺が言うと、

『はぁい。…ごめんなさい』

小さく返事するA。

可愛い。

そして何という甘い時間。



あー、明日から頑張れそう。



『あ、そういえばね』

思い出したように言うA。



「ん？」

『お休み決まった』

「あ。そうなんだ。いつ？」

『来週の火曜日と水曜日』

「おっ！連休じゃん」

『そーなの、久しぶりに連休』

嬉しそうなAに少し笑う。



「良かったね」

『うんっ！2ヶ月ぶりなのー』

「予定決まってるの？」

『さっき決まったからまだ。1日はアコちゃんと遊びたいなーと思ってるんだけど』

「いいなー」

スケジュールを確認すると、どっちも半日仕事だった。

久しぶりの休みなら、Aも休みたいよな。



『どっちかの夜、電話出来そう？』

Aが言う。

「え？」

『この前話したよね、電話しようって』

「え、いいの？」

『え？ダメなの？』

一瞬の沈黙。

『忙しいならまた今度でい…』

「大丈夫っ！！」



食い気味に言う俺。



『あははは、そんなに勢い必要？』

「だってまだ返事してないのにまた今度とか言うからさー」

笑うAに思わずムスッとする。



「じゃあ、来週長電話しよー」

『どうしよっか、テーマ決める？』

テーマってトークテーマ決めるってこと？
朝まで生テレビみたいだな。
それより、

「何かの映画見ながら電話するとか」

って提案してみた。

『それいいね！楽しそう』

乗ってくれるA。

「何見る？」

『んー、気軽に見れるやつとか』

「ディズニーとかジブリ良くない？」

『あ、いいね。子供の頃見たのと大人になってから見るとまた違うもんねー』



何を見るかで盛り上がって、結局今日も長電話。
0時まわってしまい、

『もうっ！結局見れなかったよー！』

結果Aは歌番組を見れずに終わり、電話を掛けた俺は怒られた。

「そもそも電話かけるきっかけになる嘘をついたのは誰？」

『…私デス』

「でしょ？」

苦笑いする俺。
そしてもう1つ言いたい。

「そろそろつっこんでいい？」

『何を？』

「…呼び方」

『え？』

「…たいぴーに戻ってる」

少し黙るA。

『…私はたいぴーって呼んでる歴が長すぎて今更無理っ』

「えぇーー」



この後、

「名前で呼んで」

『無理』

の押し問答で結局また夜更かしになってしまった。

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