この想いの結末は ４

お説教できず ページ49

その後。

あの日は急いで帰ってLINEを送ると本当に起きていて、ハーバリウムを飾った写真が送られてきた。
ミッキーとミニーが並んで飾ってあり、少し感動する。



そして、
約束通り毎日LINEが届くようになった。


Aは必ず家に帰ったであろう時間に、
『化粧落としとコンタクト外し完了』
ってLINEをくれた。


ただそれが今日で3日連続となった時に、最早定型文かコピペになっている感じがしたので
たまたま

『信じられません』

って送ったところ、本当に外す前だったらしく

『なんで分かったの？』

と返信が来たのがきっかけで、家にいた俺は電話を掛けた。



「…もしもし」

『…はい』

俺の声が怒ってるのが分かるらしく怯えてるA。

「なんで嘘つくの？」

『えっと…』

「まだ外なの？」

『ううん、家』

「じゃあ何で？」

『…笑わない？』

「内容次第」

『怒らない？』

「…少なくとも嘘ついたことには怒る」

当たり前でしょ。

『実はですね。メガネをこの前壊しちゃって、いま家に帰ると裸眼なの』

「だから、コンタクト外してない、と」

『そう…今日はどーしても録画しといたやつ、見たくて』

「え？」

『…たいぴーが出た歌番組…』

ぶっ。
俺は飲んでいた水を吹きかける。

…これは、怒れなくなるやつかな。

「それって…」

『動くたいぴー見たいから』

ボソボソって言う。


…ダメだ。
怒れなくなる。

いや！嘘ついたことには怒らないと！！


『裸眼で見たらボヤけちゃうから…』


追加の言葉に、言葉を失う。

怒るんだ、太輔。
怒れ。


『ごめんね？たいぴー』

半泣きになってる。
ちょっと可愛い。

ダメだ。
おーこーれーなーいーー。


『たいぴー？』

くーーっ、わざとやってるのか？？
だとしたらズルいが多分天然だ。


「んーー、嘘つくのはダメ」

そう、そこを責めよう。

『だって、遅くなると心配するでしょ？』

「なら帰ってきたけどまだコンタクト外してない、で良かったのに」

『…なんで外してないの？って聞かれたら、答えなきゃいけないから恥ずかしくて』



はい、撃沈。



「…もう、嘘はダメだからね」

としか、怒れなかった。

『てゆーか、たいぴーなんで分かるの？』

「え？」

『東京の時も疑って来た時、実は外す前だったよ』

そーなの？
あれもたまたまなんだけどなー。

「んー、ただの勘。Aがわかりやすいんたよ」

『…うーん』

納得いってないA。
何がそんなに不満なんだ？

まさかそんな展開になるとは→←絶対、したよね？

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