なんでそっちだと思った? ページ37
しばらく走ると海に出た。
石垣いちごの通り。
「はい。これで今日の目的達成ー」
「…ここまで長かったね」
俺が言うと、失笑するAちゃん。
確かに。3時間近くかかってる。
でも有意義な時間だったよね。
「月見えないね」
「…あ、だいぶ上にある。しかも細い」
助手席から見て言うAちゃん。
「これは『ツキノミチ』見えないなー」
残念そうなAちゃん。
こだわるねー、藤北。
あ、そういえば。
「ねぇ」
「ん?」
「水族館の帰り、なんで手を握っててくれたの?」
さっき聞きそびれてた。
「…そんなに気になる?」
Aちゃんが聞く。
確かに2回目だからね、よっぽど聞きたい?ってなってるのかも。
「いや、言いたくないなら無理には聞かないけど」
俺からしか手も繋がないしハグもしないから、どうしてかなって思って。
「んー、気になったからなんだけど」
話し出すAちゃん。
「何が?」
「たいぴーが寝てる時にね、眉間にシワあったの」
「え」
そうなんだ。
「だから、悪い夢でも見てるのかなーって心配になって手を握ったら眉間のシワ取れてきたから、そのまま繋いじゃったんだー」
なんで眉間にシワあったんだろう?
あの時は寝る前に…
「あっ」
思い出した。
「ん?」
びっくりしてるAちゃん。
「マネージャーだ」
「武田さん?」
「そー、マネージャーに妬いたんだ」
って、普通に口走ってしまう。
途端に曇るAちゃんの顔。
「あー、アコちゃんと仲良かったからね」
納得、って感じでAちゃんが少し寂しそうに言う。
は?
この流れでなんでアコに対しての流れになるわけ?
「え?Aちゃん天然?」
「は?たいぴーがそれ言う?」
ちょっと不穏な空気。
でも残り時間短いから早く解決しないと。
ため息をつくと言う。
「アコに妬くわけないでしょ。Aちゃんと仲良くなってるから妬いたんですけど」
「…え」
びっくりした顔のAちゃん。
全く想像ついてません、みたいな顔してるけど何でよ。
ここまでの話の流れでなんでわからないわけ?
「そう、ですか」
「…なんで敬語なの」
「意外過ぎてリアクションに困って」
「えー」
声が小さくなってるAちゃんに笑っちゃう。
「妬かれるようなことした?」
「すごく仲良く話してた」
「そう?多分眠くならないように話してたんだよ?」
「それがダメなのっ」
むくれる俺に失笑するAちゃん。
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shizu(プロフ) - ひろぴーさん» コメントありがとうございます!時系列追いついて困ってたらANNPでまさかの爪のお話あったのでもう少し書けそうです!キュンキュンになるか分かりませんがもう少しお待ち下さい☆ (2018年11月26日 4時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
ひろぴー(プロフ) - はじめまして。いつも楽しく読ませて頂いています。もうー!!たまりません…めちゃくちゃきゅんきゅんします。これからも楽しみにしています。 (2018年11月24日 20時) (レス) id: feb04bb6fa (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - ゆいさん» コメントありがとうございます!時系列が追いついてきてしまったので更新が少し遅くなるかもしれませんが、今後もよろしくお願いします! (2018年11月18日 21時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - はじめまして。毎日更新楽しみです。主人公ちゃんと藤ヶ谷さんが、好きに突っ走らない感じが大人だなと思うし、こんな思いやれる関係が素敵だなと思いました。続きとっても気になります。 (2018年11月18日 10時) (レス) id: a515c6fe4c (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - AUSさん» コメントありがとうございます。嬉しかったです!少しずつの更新でご期待に添え続けられるか不安ですが、更新頑張ります! (2018年11月16日 2時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:shizu | 作成日時:2018年11月11日 0時