どうしよう ページ33
やばい。
やらかした。
言っちゃった。
好きって。
どうしよう。
ダメだって。
「あの、ほら、ひ、人としてね。人として、好きなの」
「あぁ、あ、そうなのね」
慌てる俺に、一緒になって慌てるAちゃん。
…あぶねー。
いや、アウトだよな。
誤魔化しきれてないよな。
変な空気が流れる車内。
沈黙を破ったのは
「ありがとう、たいぴー」
Aちゃんだった。
「私もたいぴー大好きだから、嬉しい」
言って俺の顔に右手を伸ばすと、いつも俺がAちゃんのほっぺをふにふにするみたいに触る。
「あ、ホントだ。気持ちいいねほっぺ」
俺のほっぺにびっくりしてる。
さらに左手も伸ばすと逆側のほっぺを触ると両頬を引っ張った。
「あはははは、変な顔」
笑い飛ばすAちゃん。
ちょっと涙目なのは、無理してるから？
多分、空気を元に戻そうとしてるんだろうな。
だとしたら、今乗っからないともう戻れない。
切り替えろ、
ガチなのがバレる前に切り替えろ。
「Aちゃんの方が気持ちいいから」
俺も負けずにAちゃんのほっぺを両手で伸ばした。
「…あ、ダメだ。泣きすぎて今日はベトベト」
俺が言うとAちゃんが笑う。
「涙と涙でね」
Aちゃんの返しに俺も笑っちゃう。
「そ、涙と涙でベトベト」
「ガチでマジ？」
「…どんだけなの？『REAL ME』」
「あはは、好きだよ、ものすごく好き」
敢えて好きを連発して、俺が気まずくないようにしてくれる彼女。
こういう所が好きなんだ。
「…そろそろ、帰らなきゃ」
時計を見たら23時。
「うん」
俺の言葉に頷いてシートベルトしようとする彼女。
でも、最後に。
俺はその手を取ると、ぐいっとまた引き寄せて、もう1回腕の中にAちゃんを閉じ込める。
「…ありがとう」
抱き締めて耳元で言って、頭を撫でた。
「ううん」
抱き返してくれるAちゃん。
「…なんか、ハグに抵抗なくなってない？」
「それ、たいぴーが言う？」
2人で笑っちゃう。
「たいぴー毛布だから」
「…ちょっとそれわかる気がしてきた」
「え？」
「Aちゃん、俺にとって毛布みたいだから」
暖かくて優しくて、包んでくれて。
本当に毛布みたいな感じ。
「…そうかな？」
「そう」
ほっぺとほっぺをくっつけてみた。
涙のアトあるけど、幸せだ。
「…カピカピでしょ？」
「いいの」
さっき慌てて好きを否定した意味、まるでないけど。
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shizu(プロフ) - ひろぴーさん» コメントありがとうございます！時系列追いついて困ってたらANNPでまさかの爪のお話あったのでもう少し書けそうです！キュンキュンになるか分かりませんがもう少しお待ち下さい☆ (2018年11月26日 4時) (
レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
ひろぴー(プロフ) - はじめまして。いつも楽しく読ませて頂いています。もうー！！たまりません…めちゃくちゃきゅんきゅんします。これからも楽しみにしています。 (2018年11月24日 20時) (レス) id: feb04bb6fa (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - ゆいさん» コメントありがとうございます！時系列が追いついてきてしまったので更新が少し遅くなるかもしれませんが、今後もよろしくお願いします！ (2018年11月18日 21時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - はじめまして。毎日更新楽しみです。主人公ちゃんと藤ヶ谷さんが、好きに突っ走らない感じが大人だなと思うし、こんな思いやれる関係が素敵だなと思いました。続きとっても気になります。 (2018年11月18日 10時) (レス) id: a515c6fe4c (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - AUSさん» コメントありがとうございます。嬉しかったです！少しずつの更新でご期待に添え続けられるか不安ですが、更新頑張ります！ (2018年11月16日 2時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：shizu
| 作成日時：2018年11月11日 0時
