この想いの結末は ４

あれ？ ページ31

「あの時の話は、これで全部」

Aちゃんの背中をポンポンしていた手を俺はそっと止めた。

「…聞いてくれて、ありがとう。黙っててごめん」

一度Aちゃんの背中をさすると手を止めて、しばらくAちゃんの反応を待つことにした。


しばらく動かないAちゃん。

いいよ、いくらでも待つから。
Aちゃんの気持ちの整理がつくまで。



だいぶ経つと元々もう力は無かったけど、俺を押し返していたAちゃんの手が下がった。


「…ダメだ」


まだ鼻声のAちゃん。
ダメっていう言葉に心臓が痛くなる。

「…え？」

もうダメなの？

「ずるいよたいぴー」

俺の背中にまたAちゃんの手が回った。
ドキッとする。

「黙ってることも出来たのに、ちゃんと教えてくれたら怒れないや」


鼻をすするAちゃん。
…良かった。
許してもらえそうだ。


「…ただ、ものすごく恥ずかしいんですけど」

「ごめんね」


Aちゃんを抱き締め直すと髪をなでる。
あーー、ものすごくホッとした。



グズッて鼻をすするAちゃん。

「早く言ってよ」

「言えないよ、どのタイミングで言うんだよ」

無茶振りに笑っちゃう俺。
Aちゃんも笑ってる。



笑い合えたことでさらにホッとした。

「あー、良かった」

思わずぎゅーってAちゃんを抱き締めた。

「苦しいよたいぴー」

バンバン俺の背中を叩くAちゃん。

「自分から最後でいいから、って言っちゃったけど。最後なんて嫌だったんだもん」

俺が抱きしめながらゆらゆら揺れると、一緒に揺れてるAちゃん。

しばらくして、言う。

「…だって、遊ばれてるって思ったんだもん」

「え！？」

思いも寄らぬ発想に思わず声をあげた。

「私なら携帯もパソコンもデジカメも捨てるくらい徹底してるから絶対誰にもバラさないだろうって遊び相手に選んだのかなって…」

「はぁ！？」



びっくりしてまた腕離しちゃった。

顔を見ると涙でぐちゃぐちゃなAちゃん。


慌ててティッシュを渡す。

受け取って涙を拭いたり鼻をかむ彼女。
ゴミ箱も差し出したら

「…ありがとう」

まだ泣きそうなAちゃん。

なんで？



「もー、まだ泣いちゃうの？」

「止まらないんだもん」

「何でよ」


また溢れた涙を俺が指で拭う。



「…俺がAちゃんのこと、ちゃんと好きなの、まだ分かってくれない？」


言って、あ！って思ったけどもう遅い。

俺もAちゃんも完全にフリーズした。

ん？→←…そうだったの？

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す