この想いの結末は ４

…そうだったの？ ページ30

Aside

完全にパニックだった。
私が都合いいだけだったって思うと今までがなんだったの？ってものすごく悲しかった。


「Aちゃん」

たいぴーがぎゅーって抱き締めてくる。
離れようとしてるおもちゃに必死過ぎない？

「お願いだから。聞いた結果ならもう会うの最後でもいいから、俺の話聞いてくれない？」

耳元で言うたいぴー。
最後、って言葉がやけに響く。
もうそれが嫌なのか、たいぴーのおもちゃだったのが嫌なのかわからない涙が嗚咽に変わる。


「…俺ね、もし付き合うこととかになったら携帯もデジカメもパソコンも全部捨てる、って言ってもらえるような人が誰なのか気になって聞いてたんだよね」

話していいよ、なんて言ってないのに話し出すたいぴー。
涙堪えようとしてるけど止まらない。
たまにしゃくり上げちゃう。

「…携帯が飛んで来た時にさ、俺のファンだよね、って迷わず聞いたのは、あの待ち受け俺メインで写ってたからじゃなくてお客さんが北山って聞いてたからなんだ」

たいぴーが私をあやす様に背中をまたポンポンし始めた。

「俺のファンって分かった時、ものすごく嬉しくて。もっと話聞きたくて呼んじゃった」

これ結構な本音だ。
冷静に聞けるようになってきた自分がいる。

「あの日さ、ストロベリースペシャル食べようって俺が我儘言ったからマネージャーが帰れなくなって、アコがそれに付き合ってくれて。…2人は俺があんなこと言わなきゃあの時布団で寝れてたのに。そう思ったら俺の仕事ってやっぱ特殊だなって地味に落ち込んでたんだ」

落ち込んでたんだ。知らなかった。

「そしたらAちゃんが俺が『何に対しても全力で取り組んでてスマートにやってるところが好き』って言ってくれてめちゃくちゃ嬉しくて」

あ、公開告白のときか。
あれ恥ずかしかったー。

「あと、質は違うけど求められることに応えるってことはどの仕事も一緒って言ってもらえて『俺の仕事もみんなと一緒』がものすごく嬉しくて、こんな子にファンで居てもらえるようにもっと頑張ろう、って思えたんだよね」

冷静になれてきて嗚咽も止まると、
たいぴーの腕の中が再び気持ちいい場所に変わってきた。

「LINEは交換したけどあの時で終わりにしたくなくて、結構必死で。石垣いちごの約束出来たときものすごく嬉しかったんだ」

確かに石垣いちごの約束決まった時の喜びは異常だった。
そんな喜ぶ？って思ったもんね。

しばらく黙るたいぴー。

…終わったのかな？

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